創続総合研究所

相続はある日突然やって来る。相続税の申告作業は煩雑だが、与えられた期間は10カ月しかない。万が一のときにあわてないよう準備をしておこう。

 関東地方に住む50代の男性は2年前、父親を病気で亡くした。入院したと思ったら容体が急変、あっという間の出来事で悲しむ暇もなかったという。

 だが、本当に大変だったのはその後のことだった。床の間に鎮座していた金庫を開けてみると、中からはおびただしい不動産の権利書に加え、預金通帳と印鑑の山が現れた。

 生前、「周辺の土地を持っている」といった程度の話は聞いていたが、金銭にまつわる話を家庭に持ち込みたがらなかった父と、資産に関する詳しい話をしたことはなきに等しかった。

 「かなりの資産を相続できるかも」という期待はもちろん大きかった。一方で、資産の確定作業や、兄弟全員の合意を取らなければならないことなどを考えると憂鬱な気持ちになったという。

 男性は毎週末、車で2時間かけて実家に通い、朝から晩まで資料と格闘。不動産は自宅だけではなく、しかもあちらこちらに点在していたため、確認するだけで膨大な時間を要した。

 しかも相続税の申告書を作成するに当たっては、不動産一つ取っても登記簿謄本から実測図、土地の明細書、固定資産税の評価証明書に至るまでさまざまな書類をそろえる必要がある。

 そうした書類を手に入れるには、法務局など役場に出向かなければならないが、当然、週末は休み。おのずと週末だけでは間に合わず、男性は仕方なく会社を長期間休み、作業に当たらざるを得なくなったという。

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もめる相続

日本では毎年約110万人が亡くなる。このうち相続税が課される人はわずかで、これまで相続はどこか他人事でもあった。だが、相続税の大増税が決まった今、この状況は大きく変わる。相続発生時に申告が必要な人は大幅増。首都圏では約4割に達すると見込まれている。これまで資産課税に無縁だった一般家庭こそ、ムダに税金を払わない工夫の余地が急がれる。

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