バブルは本当にやって来るか?
早降りしたい気持ちを抑えて

 先日、ある経済メディアが主催する会合で、今年の日本経済のまとめと来年の予想を問われた。まとめに関しては、ひとことで言うと「4月の消費税率引き上げが失敗で、日本経済とアベノミクスが『息切れ』してゼイゼイ(税税)!言っている」とでもまとめておけばいいが、問題は来年の予想だ。これはかなり迷った。

 迷った結果、バブルが起こる方に賭けることにした。来年の日経平均の高値予想は、思い切って2万3000円とした(注:アテにしないでください!)。ちなみに、3人の登壇者のお1人は「今が高値、もう限界」というお答えだったので、意見にコントラストがついて、会合としては良かった。

 ちょうど、現在発売中の『週刊ダイヤモンド』(2014年12月27日・2015年1月3日新年合併号)の特集は、年末恒例の来年(2015年)の「総予測」だが、表紙には「バブルがやってくる!」とある。心強いではないか。

 実は、個人の傾向として、筆者はどちらかと言うとバブルから「早く降りたくなる」タイプだ。資産価格が適正と思う水準をはっきり超えて来たと思うと、割合早めに相場でも論陣でも「売り」の側に立ちたくなる。しかし、経験的に言ってバブルは最後の一上げが大きくて、途中で降りると寂しいことが多い。

 個人的に印象的な経験は、1980年代後半のバブルの時期にあって、1988年に日経平均が2万7000円程度だったときに、「Qレシオ」というバブルを測るには正しくない尺度をもって「日本の株価はまだ高くない」と主張した、ある証券系の研究所のレポートを批判する原稿を『週刊東洋経済』に載せて(実質的に筆者のデビュー原稿だ)、株価は高すぎるという立場を取った。