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12月25日 18時0分
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2015年相場展望 Vol.2 バリュエーション - 広木隆「ストラテジーレポート」

毎年恒例になっているテレビ番組の企画がある。昨年の今頃、どんな予想を立てたかを振り返り、実際の相場の動きと比較検証するというものだ。これは、なかなか厳しい企画である。だが、我々の商売は、「言い放し」だと批判を受けることも多いので、こういうのは必要だと思う。僕が出した今年の予想は前半は大外れ。年初からアルゼンチンをはじめとする新興国不安、ウクライナ情勢の緊迫化など想定外のリスクオフが続いた。夏にはイラク空爆などもあった。地政学リスクを主とする外部要因に振り回された。しかし、10月の日銀の追加緩和〜急伸〜年末1万8,000円という流れはほぼ的中。終わりよければすべて良しとしよう。「ご自分で何点くらい?」「う〜ん、70点くらいはいただきたいです」と答えた。

さて、来年の予想である。また来年のこの時期、スタジオに行って、来年こそは胸を張って「100点です!」といいたい。来年の予想に関しては結構、自信がある。以下の予想を提示してきた。実際のオンエアでは尺(時間)の制約があるので、こんなに話していない。本当はこういうことまでいいたかったんだ、という意味も込めて、レポート上で再現しよう。

キャスター:年初から堅調に推移して4月には2万円(!)の大台をつける予想ですね。

広木:好調な決算と4月に日銀の追加緩和があると予想するからです。その後は一旦、目標達成感から調整になると思われます。年央と見られる米国の利上げに対する警戒感も台頭するでしょうし。その調整からどれだけ持ち直して秋を迎えるかですが、仮に2万円近くまで戻していると、年末は2万2000円というのもあるのではないかと思います。というのは秋にもう一度、追加緩和があるとみているからです。

キャスター:年に2回の緩和ですか?

広木:ええ、というのは緩和を躊躇している余裕がないからです。来年はなりふり構わずやってくるでしょう。消費増税は17年4月に延期されました。今度は景気が悪いからまた延期することはないと言っている。本当は景気が悪いならまた延期すればいいのですが、メンツもあるからそのシナリオはないとして、そうしたらその時までに何が何でも景気を良くしておかなければならない。17年4月実施を正式に決めるのは16年の夏ごろ、そこは参院選があります。本当のターゲットはこっちです。

今回の衆院選がアベノミクスの信任投票なんていうけどそんなことはない。何もまだ結果が出てないのに、信を問うもなにもないわけです。本当に成果が問われるのはアベノミクスが始まって4年目に当たる16年夏の参院選でしょう。安倍さんにしたら絶対3分の2の議席を参院選でとりたいはずです。だからアベノミクスが成功したんだという、誰の目から見てもわかりやすいアピールが必要。それは「デフレ脱却宣言」でしょう。アベノミクスの目標であるわけだから。

で、どうしたらデフレ脱却を宣言できるか。消費者物価が2%にワンタッチしたらいいかというとそうではない。安定的にその水準で推移しなければならない。ということは、また逆算すると2016年の春ごろには2%程度に届いていなければならない。まさに日銀がいう「15年度を中心として2%の物価上昇」というわけです。
そうなれば、安倍さんもハッピー、日銀もメンツがたつ。だから、それを目指して思い切りやるというインセンティブはあっても、やらない、という選択はないわけです。

キャスター:でも政府や日銀がそれを望んだとしても、できるのでしょうか。原油価格も下がって一段と遠のいているようですが。

広木:まさにそこがポイントです。難しいから、却って相場にとってはいいんです。日銀がめちゃくちゃアクセルを踏むとの思惑が働くからです。ちょっとやそっとのことでは達成は無理だと思うでしょう。だったら、強烈なことをやるしかない。

キャスター:具体的にはどういうことが考えられますか?

広木:例えば半年ごとの追加緩和とか。今年10月にやった、来年4月もやる、そしてまた10月にも。黒田さんは戦力の逐次投入はしない、と言った。それを変えたら変えたで、また市場にはサプライズになります。過去の緩和は額で驚かしてきた。マネタリーベース2倍とかETF購入3倍とか。今度は頻度じゃないかと思うんです。

中身については僕は国債の買い入れはこれ以上するべきでないし、もうできないと思うんですね。買うものがない状況ですから。軸足はETFに移さざるを得ない。僕はそれが一石三鳥くらいのメリットがあると思うのですが、それを話してると時間がなくなるので別の機会に譲ります。これは量的緩和から質的緩和に軸足を移すという意味でもある。
キャスター:これまでのお話を伺うと、要は来年は日銀の追加緩和が最大の株価上昇要因ということですが、それはバブル的な感じですね。

広木:まあ、そうですが、ミニバブル、プチバブルといったところでしょうか。じゃぶじゃぶの緩和でマネーがあふれて株価が上がるというのはいかにもバブルの様相ですが、一方で株価上昇の抑制要因もあります。それは米国の利上げです。今年の振り返りのなかで、日本株相場がいかに外部要因に振り回されてきたかというのを見たわけですが、マーケットというのはグローバルにリンクしていますから国内要因だけ見ていてもダメなんです。で、来年、グローバル・マーケット最大のテーマと言えば米国の利上げでしょう。年央と見られていますが、FRBが利上げに踏み出したら株はどうなるのか、そのビューを確認することが大切です。

キャスター:90年以降過去3回の利上げ局面で米国株がどう反応したかがこちらの表です(表1)。



広木:3回とも利上げ当初はFRBに敬意を表して調整するのですが、すぐに持ち直します。で、結局、利上げ局面の米国株のパフォーマンスというのはプラスなんです。利上げできるくらい景気がいいので、企業業績が伸びる。過去3回の利上げ局面でEPSは平均して2割増えている。ところがここがポイントですが、株価は上がったには上がったが増益率ほど上がっていない。業績の伸びほど上がっていないんです。つまりPERが下がった。教科書通りです。ですから利上げというのは株価上昇の抑制力になったということです。

過去のパターンを踏まえると、FRBが利上げしても米国株がそれで大きく下げるということはない。しかし、大きく上がるということもなくマイルドな上昇にとどまるでしょう。日本株もそれに連れるということです。

キャスター:では具体的に日経平均の妥当なレンジを、恒例の広木チャートで見てみましょう(表2)。



広木:今期の予想EPS、市場のコンセンサスは1150円程度ですが、予想の前提となっている為替レートがドル円で105円とか、原油が1バレル90ドルとか実勢からかい離し過ぎている。今期決算締めてみれば最終的に1200円で着地するのではないか。それで12%増益程度だからリーズナブルでしょう。で、来期はそこから10%増益で予想EPSは1320円となる。

キャスター:二桁増益の根拠は何でしょう?

広木:根拠は米国をはじめ先進国中心のグローバル景気の改善です。欧州だって今年よりは良くなる。日本の国内景気も回復基調に入っています。そこに、この円安と原油安です。実は10%増益でも保守的過ぎると思ってます。

それを15倍で評価したら約2万円です。来年は日経平均2万円が中心的なフェアバリューだろうと思う。場合によってちょっとバブったりするとバリュエーションレンジの上限17倍まで買われて2万2000円を超える場面もあるでしょう。ただし、それにしたって、予想利益とPERの掛け算の範囲内で説明がつく。正真正銘のバブルではない、「プチバブル」というのは、そういうわけです。


(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

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(マネックス証券)


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