毎年のように業界のトレンドが変わるIT業界。クラウド、ビッグデータ、3Dプリンターなど次々とキーワードが生まれてくる。2014年は「IoT」(Internet of Things)だった。ただ、今年のIoTは過去のワードとは少し違い、今後、大きなうねりとなって、あらゆる産業に影響を与えそうだ。15年は、さらにこのうねりが確かなものとなって見えてくるのではないだろうか。(ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

期待のピークを迎えたIoT

 2014年、IT業界はIoT一色だった。IT関連のイベント、各社が主催するカンファレンスなどで「IoT」は大きく取り上げられた。

 米調査会社のガートナーが発表した「先進テクノロジーのハイプサイクル」(2000以上のテクノロジーを119の分野にグループ化し、その成熟度、ビジネスへの貢献度、今後の方向性に関する分析情報を企業の戦略担当社に提供する目的で毎年発表されている)では、IoTは2014年、過度の期待のピークとなっていた。

先進テクノロジーのハイプサイクル(2014年)
ただのバスワードにあらず!2014年は「IoT」元年 <br />対応遅れる日本の産業界は2015年が正念場に<br />――IT業界この1年を振り返る 出所:ガートナー(2014年8月)
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 IoTとは、Internet of Thingsの略。日本語では「モノのインターネット」などと訳される。パソコンやスマートフォン、タブレットなどだけではなく、身の回りのあらゆるモノにセンサーが埋め込まれ、インターネットに繋がるという技術や仕組み、状態のことを指す。

 同じようなことを指す言葉としては、M2M(Machine to Machine:機器間の通信)や、モノだけでなく社会インフラなどすべてがつながるという意味でIoE(Internet of Everything)というものもある。