経営 X 人事

企業と学生とのすれ違い
認知度を上げるための企業努力とは?

学生は企業のことを驚くほど知らない。筆者の経験によれば、東証1部上場企業のリストのうち、学生が知っていた企業名は、せいぜい10%程度だったという。ここにも企業と学生との間には、すれ違いがあるように見える。では、よい採用のために、企業は何をすればいいのだろうか。

君たちは
本当に「大企業志向?」

 3年前まで関西大学で「学部学生のための会社学」という講座を受け持っていた。授業の合間に、就活生からときどき質問を受けたりアドバイスを求められることがあった。

 K君は、3年生の夏休み前に、インターンシップのことで相談に来た。大企業か、ベンチャー系企業のどちらにエントリーすればいいだろうかという話だった。

 K君は、「給与水準が高い」「福利厚生が整っている」「潰れる心配がない」など大企業のメリットを並べ立てたうえで、でも自分を活かせるのは、コンサル関係やベンチャー的な会社ではないかと熱く語っていた。

 その時に、K君が語る「大企業」と私が思う「大企業」との間には、多少のズレがあるように感じた。そこで、まず学生がどの程度企業を知っているかを実際に確認してみた。

 そもそも「大企業とは何か」という議論があるだろうが、私は、とりあえず東京証券取引所の一部上場企業を対象にした。

 日本経済新聞の株式欄にある東証一部上場企業のページをコピーして学生に渡した。そして約1700社のうちで「企業名を知っている」「大略どんな事業をしているかが分かる」の二つの要件を満たす会社をラインマーカーで印をつけてもらった。

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楠木 新

金融機関に勤務するかたわら、「働く意味」をテーマに執筆、講演などに取り組む。12万部を超えるベストセラーになった『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『就職に勝つ!わが子を失敗させない「会社選び」』(ダイヤモンド社)など著書多数。近著に『人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人』(東洋経済新報社)がある。


新卒採用では、なぜ能力やスキルを勘案しないのか?

「志望動機」に「自己分析」。エントリーシートと面接での自己演出……。就職活動は一昔前に 比べると様変わりし、なにやらややこしく面倒になった観がある。これを採用側から見るとどうなのか。本質的には変わっていない、と筆者は言う。自社に合っ た人材をいかに確保するか。よりよい採用のための考察を、まず現状を分析することから始めることにしよう。
 

「新卒採用では、なぜ能力やスキルを勘案しないのか?」

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