株式レポート
1月6日 18時0分
バックナンバー
著者・コラム紹介

株式レポート

日々の最新市況ニュース、個別銘柄のトピックスや値上がり・値下がりランキング、テクニカル分析等のニュースを配信します。また重要経済指標の事前予想や結果の分析、ストラテジスト、アナリストの相場分析も読めます。(記事提供:フィスコマネックス証券

>> 最新株式ニュース一覧はこちら
>> 株式レポート一覧はこちら

マネックス証券

【緊急レポート】 センチメントとファンダメンタルズ - 広木隆「ストラテジーレポート」

世界には二つと同じものはないので、細かい差異に着目すれば、すべてのものは無限に細分化できる。投資家をタイプ別に分類すれば、微細な投資スタイルの違いによって星の数ほどにのぼろう。それを承知であえて大別するとすれば、「トレーダー」と「投資家(インベスター)」の2種類に分けることができるだろう。

トレーダーは「価格」を追う。インベスターは「ファンダメンタルズ」を追う。良し悪しの問題ではない。やっているゲームが違うのだ。



ファンダメンタルズが相場のトレンドを規定する。ファンダメンタルズはトレンドの底流をなすものだ。株価はファンダメンタルズで決まる。但し、ファンダメンタルズのまわりを常に揺れ動く。トレーダーはその揺らぎを捉えようとする。そうしたトレーダーたちの行動で、相場の振幅がアンプリファイ(増幅)されることもある。その揺らぎを「波」と呼べば、トレーダーたちはサーファーである。では、投資家は、波を見なくていいかといえば、そうではない。波だけを追いかけるのがトレーダーであるとすれば、投資家は波がファンダメンタルズからどれだけ乖離するかを見る。その波のピーク(頂上)で、あるいは波のボトム(底)で投資行動を起こす。サーフィングの基本は波をピークで捉え、ボトムでターンすることだ。その意味においては、投資家もまたサーファーなのである。

昨日のNY株式市場の急落を受けて、本日の日本株相場は大幅安。日経平均は前日比465円安まで下げ幅を広げる場面があった(前場終了現在)。昨年来、何回、繰り返したことだろう、日本株の市場参加者は記憶力がない、と。なぜ、学ばないのだろうか、押し目買いが報われることを。ピンチがチャンスであることを。

昨日のNY株の急落の原因は、①原油価格の一段安、②ギリシャの政情不透明感のふたつである。

そのうち原油価格の下落というのは日本経済にとって、ひいては日本株式市場にとってどういう影響をもたらすだろうか?言うまでもない。100%好材料である。エネルギー輸入国にとって原油価格の下落はメリット以外の何物でもない。ましてこれだけ円安が進む中での原油安はまさに「恵みの雨」である。いろいろな研究機関が原油安によるGDPの押し上げ効果や交易条件の改善度合い、家計の実質所得や企業収益に与えるメリットを試算しているが、どれも強烈なインパクトのあるポジティブな数字である。ひとことで言って、原油安・万々歳!である。

さて、これだけの好材料が、願ってもない幸運が、日本経済に訪れている。それにもかかわらず株価は急落している。絶好のエントリー・タイミングとしか考えられない。

波とファンダメンタルズの話に戻ると、波は様々な要因で揺らぐ。いちばん大きな要因はセンチメント(市場心理)である。今は、センチメントが「リスクオフ(危険回避)」に傾いている。原油価格の下落は大概の先進国、工業国、資源輸入国にとってはメリットだが、産油国の窮乏が強まるという懸念がある。

しかし、その懸念に乗じた投機騒ぎはつい一カ月前にロシア株やロシア通貨ルーブルの下落で経験し、市場は織り込んだはずである。現在のロシアの外貨準備高は、98年のロシア危機当時とは比べようもないほど潤沢であり、財政破綻などは到底考えられない。

では、ベネズエラはどうか?ベネズエラは危ないのではないか?というひとがいるかもしれない。これはちょうど昨年の今頃、アルゼンチンの通貨危機が市場でリスク視されたときと状況が似ている。ベネズエラがデフォルトしたところで、(ベネズエラとその債権者以外)誰か困りますか?世界経済に甚大な悪影響が及ぶだろうか?まったく些少な問題である。百歩譲って、密接にリンクしているグローバル金融マーケットにいくばくかの亀裂や打撃があるとしよう。しかし、それが日本のファンダメンタルズに及ぶかと言えば、答えはNoである。
端的に言って、ベネズエラ、もしくは同等のリスクを抱えている産油国のデフォルト等があっても、日本株のいちばん基礎的な経済条件、すなわち日本企業の業績に与える影響は無視しえるほど小さい。

ギリシャについても同様で、こちらはもっと落としどころが見えている。急進左派が政権を獲ろうとどうなろうと、ギリシャはユーロを離脱できないことはギリシャ国民自身がよくわかっている。もとの通貨ドラクマに戻った途端、通貨急落とハイパーインフレで経済が行き詰るのは目に見えているからだ。キャピタルフライトを防ぐため政府は預金封鎖をするしかない。そんな目に遭いたいか?誰だって嫌である。

ギリシャの主張は、ユーロ離脱も嫌だけど緊縮も嫌だという、一種の「駄々」である。そんな駄々っ子を大人であるEUがいつまでも甘やかしておくわけはない。そして世界の投資家も、そんなくだらない茶番劇に付き合うほど暇ではない。過去数年、いつもそうであったように、これは格好のトレード材料なのである。誰も心底、リスクなど感じていない。一例を挙げよう。あれほど南欧債務危機と一時騒がれたイタリアやスペインの10年債利回りは現在1.8%と1.6%。米国の10年債利回りを下回る水準である。

最後にもう一度、原油と同じことを言おう。ギリシャが仮にどうにかなったって、日本の経済に何か影響があるか?ファンダメンタルズにはなんの影響もないだろう。

<まとめ>
・ 原油安は日本経済や日本企業の業績にとってプラス材料。
・ そのプラス要因が強まっているのに株価が急落している。
・ それはセンチメント(市場心理)が悪化しているからであって、ファンダメンタルズが悪化している(もしくは悪化する)わけでない。
・ 株価とファンダメンタルズの下方乖離が広がっている状況であり、投資の好機と考えられる。

なお、原油価格については一段安となるリスクを昨年12月25日に出演したテレビ東京ニュースモーニングサテライトの株価見通しで指摘していた。同様の解説を12月29日に行った「広木隆のマーケット展望ウィークリー・年末スペシャル企画1時間拡大版」でもしているので、こちらのリンクからオンデマンドの動画をご覧いただきたい。フォワードカーブが内在する需給バランスは、そろそろいいところまできていることを示唆している。1年先の先物価格がスポット対比16%高いところまでカーブのコンタンゴ(順ざや)が進んだ。裁定取引に動く業者が減少しているとはいえ、リーマンショック直後の需要が雲散霧消した状況とはわけが違う。原油価格の底入れは近いと思う。



(※)原油価格に関する解説は、「広木隆のマーケット展望ウィークリー・年末スペシャル企画1時間拡大版の約28分からです。


(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)

■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。

(マネックス証券)


マネックス証券
株式売買手数料(指値) 口座開設
10万円 30万円 50万円
100円 250円 450円
【マネックス証券のメリット】
日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。
【関連記事】
◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~
◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
マネックス証券の口座開設はこちら!

 

株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券!最新情報はコチラ!
ネット証券口座人気ランキングはコチラ!
NISA口座を徹底比較!はコチラ
株主優待おすすめ情報はコチラ!
優待名人・桐谷さんの株主優待情報はコチラ!

 

Special topics pr

ZAiオンラインPickUP
[クレジットカード・オブ・ザ・イヤー2017]2人の専門家が最優秀クレジットカードを決定! 2017年版、クレジットカードのおすすめはコレ! おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き その 【株主優待】最新の株主優待情報更新中! アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは?
ランキング
1カ月
1週間
24時間
じぶん銀行住宅ローン 「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証 アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!


 

9月号7月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

Amazonで「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!


【攻め&守りの高配当株&株主優待ベスト117】
攻めと守りで儲かる高配当株」の投資法
今が買い高配当株52銘柄を大公開
高配当株億を作った個人投資家のワザ
・27%超も!「株主優待」目的別ベスト117
・「優待+配当」の合計利回りランキング
確定拠出年金読者損益リアル白書
・17年上半期の投信上昇率ランキング
4年ぶりの買い場高利回りJリート
LINEなど5大ポイントの貯める&使うテク
定年後の5年間でトクする働き方
東芝など不祥事株の売り・買い診断
・東証1部昇格期待株を先回りで狙え!
不足する高齢者施設の問題点とは?

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ! 堀江貴文や橘玲など人気の著者のメルマガ配信開始! クレジットカードに関するクチコミ情報大募集中!