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石川和男の霞が関政策総研

2015年、原子力規制委員会は
「科学的・技術的」な集団へ脱皮できるか?

石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]
【第37回】 2015年1月13日
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どれだけ完璧なのか?
批判されない規制委

 2015年は、原子力規制を見直す予定となっている――。

 こう書いても、何のことだかよく知らないか、忘れているか、何の興味も関心もない人の方が圧倒的に多いのではないだろうか。

 2011年3月の東日本大震災により、過酷事故が起きた東京電力・福島第一原子力発電所。この事故に係る教訓と反省から、経済産業省傘下の旧原子力安全・保安院は廃止されたが、それに代わる規制機関として新設されたのが原子力規制委員会とその事務局としての原子力規制庁

 2012年9月の発足から3年後に当たる今秋、規制委規制庁の在り方も含めた原子力規制の見直しが予定されている。これまで2年以上の規制委・規制庁の動きを見ていると、いずれの行政機関にも共通するように賛否両論は渦巻いているのだが、公の場で規制委・規制庁が批判されている場面を私は見たことがない。

 日頃から権力への監視と批判を生業とすることを“自認”しているテレビ・新聞など大手マスコミは、原子力推進を掲げる経済産業省文部科学省に対してはしばしば辛辣な言葉を浴びせかけるが、原子力規制を実施する規制委・規制庁に対してはそうしたことは一切しない。

 与野党問わず政治家たちも、公の場では、規制委・規制庁に対して厳しい言葉を浴びせることはしない。政治家やマスコミから批判されない規制委・規制庁とは、それほどまでに完璧な組織なのであろうか?

揉め続けてすでに2年半
敦賀2号機審査の不可解

 震災からそろそろ4年が経とうとしているが、その間に国政選挙は3回も行われた。そのいずれも、原発容認を掲げる自民党が大勝した。原発が立地する自治体の首長・議会選挙の結果でも、原発容認の勢力が大きく優勢となっている。

 それにもかかわらず、今もまだ「反原発への世論はまだまだ強い」との大きな勘違いを背景としてか、規制委・規制庁は日本の原子力事業者から“生け贄”を出させようとしているとしか思えない動きを見せている。また、旧保安院との違いを醸し出そうと躍起になっているようにも見える。

 今のところ、その最初のターゲットは、日本原子力発電・敦賀原発(福井県敦賀市)であろう。敦賀原発2号機は今、規制委・規制庁の「正式審査」の前段階の“プレ審査”を受けている。規制委・規制庁と日本原電が公式の顔合わせをしたのは2012年の12月が最初。以来、2年以上が経過しているのだが、本件は揉めに揉め続けており、実に不可解な展開を見せている。

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石川和男 [NPO法人 社会保障経済研究所代表]

1989年3月東京大学工学部卒業。同年4月通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁、生活産業局、環境立地局、産業政策局、中小企業庁、商務情報政策局、大臣官房等を歴任。2007年3月経済産業省退官。08年4月東京女子医科大学特任教授(~10年3月)。09年1月政策研究大学院大学客員教授。09年4月東京財団上席研究員。11年9月NPO法人社会保障経済研究所代表。ツイッター:@kazuo_ishikawa ニコ生公式チャンネル『霞が関政策総研』、ブログ『霞が関政策総研ブログ』


石川和男の霞が関政策総研

経済産業省の元官僚として政策立案の現場に実際に関わってきた経験と知識を基に、社会保障、エネルギー、公的金融、行政改革、リテール金融など、日本が抱えるさまざまな政策課題について、独自の視点で提言を行なっていく。

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