ひと駅ごとに暗記とテストをくりかえす

 暗記の作業をはじめても、短期的には何度も忘れてしまうものですが、それは脳の仕組みとして当たり前のこと。これはがんばってもがんばらなくても同じです。しかし、とにかく接触回数を増やして、たんたんとインプットをくりかえしてやれば、脳はそのうちに記憶していきます。

 接触頻度を上げるための工夫はいろいろとできます。私は「暗記はただくりかえせばいいんだ」と気づいてから、単語を覚えるにあたって、通学時間を使った工夫をしていました。単語帳を見ながら電車のひと駅間で、どれだけの単語を理解できているか試すのです。

 通学時間は急行電車なら30分、普通電車なら40分ほどかかっていたのですが、あえて普通電車に乗るために早く家を出ます。なぜかというと、座れる確率が高いのと、普通電車なら各駅に停まるので、ひと駅ごとにストップウォッチ代わりになるからです。

 苦手な単語を20枚カードに書いて、次の駅までに何回転かさせて覚え、またその次の駅までの間にどれだけ暗唱できるかにチャレンジします。

 毎日、同じ電車でやるので「前はこの駅とこの駅の間でこれだけしか覚えていなかった」というように自分の成長度がわかりやすく、やる気につながりました。ゲーム感覚でできるというのも、脳にとって心地よいので、やればやった分だけはかどります