フィリピン 2015年1月15日

フィリピンの子どもは、英語を話すのにABCがわからない?

フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者の ためのなんでも相談所」を運営しながら、仕事のパートナー一家と一緒に暮らす志賀さんのフィリピンレポート。パートナーの子どもKIANは英語を流暢に話すが、なぜかABCが苦手。幼稚園留年の危機に、ようやく家庭教師が……。

 私の仕事の相棒であるジェーンの息子KIANは、おもちゃやスプーンを器用に扱い、英語を流暢に話し、タガログ語やさらに日本語まで理解するという大人顔負けの知恵を持っている。先日、「重い」の意味を聞いたら「Heavy」と答え、「待って」の意味を聞いたら「Wait」と正解し、もっと日本語を教えてほしいと要求した。

 我が家では英語、タガログ、ビコラノ(ルソン島南部の方言)、日本語が飛び交うが、それぞれが同じことを違った言葉でしゃべっているということをしっかり理解しているのだ。親たちのタガログ語やビコラノでの会話に、英語で割って入ることもしばしばだ。

 子どもの脳は遊びや音楽、親兄弟との日常生活を通じて日夜、飛躍的に発展していく。それを机に縛りつけて、1、2、3やABCを繰り返させるなんて愚の骨頂だ。

 そんなふうに考えていたのだが、KIANが幼稚園に通いはじめるようになると、ABCの勉強が大嫌いで、先生から「このままでは来年も年少を繰り返さなければならなくなる」と忠告されてしまった。いわば留年あるいは落第で、そんな事態を避けるために、ママ・ジェーンは家庭教師を雇ってKIANにABCを特訓させようと企てている。

 私は頭が良いと評判のKIANがABCごときで幼稚園を留年させられ、劣等性のレッテルを貼られるかもしれないという馬鹿馬鹿しい現象に腹立ちを覚えている。

家庭教師がやってきた

 こうして、KIANの家庭教師が我が家にやってくることになった。週3回、1回1時間、時給400ペソ(約1000円)で月々5000ペソ(約1万3000円)程度と少々負担になるが、しばらくの間ということで決心したようだ。とてもやさしそうな、いかにも子どもに教えることをプロとしているといった感じの先生でKIANも大好きだ。

 教えるのはもっぱらABCとabcで、26文字x2なので52文字の発音と呼び方を毎回繰り返すだけだ。しかしそれでは飽きてしまうので、歌のように唱えたり、正解すると床のマス目を一歩進めるとか、いろいろと工夫している。KIANにとってはそれが楽しいようだ。

創意工夫を凝らした先生のレッスンにKIANは進んで勉強している。これには、TVや雑誌に出てくる文字を自分で読みたいという欲求があるのだろう【撮影/志賀和民】

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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