変化の時代に役割担う
プライベートバンカー

——個人の預貯金を消費や投資に回すことは、日本の慣行的に難しい面が指摘される中、プライベートバンカーを活用した資産運用を促す声もあります。

伊藤 プライベートバンカーは、特定のポートフォリオを勧めるのではなく、顧客の立場で資産運用や資産管理の情報提供を行う仕事という意味で重要です。

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 日本の富裕層の保有金融資産額について言えば、1億円以上の保有層に加えて、それに次ぐ5000万~1億円未満という層も多いということですから、彼らに合ったきめ細かなアドバイスができるプライベートバンカーの育成が必要です。

 デフレ脱却へと変化してきた今、個人も経済環境にどのように対応すべきかという情報発信はますます必要ですし、投資や資産管理全般をアドバイスできる機能が、社会で求められているのだと思います。

 その意味でも、金融資産だけではなく、不動産や相続、事業承継などに関係した法律や税制などの知識も兼ね備え、助言できるアドバイザーが身近にいることは重要ではないでしょうか。

※出所:野村総合研究所の推計(2014年11月発表)