継続教育によって
有資格者の能力を磨く

 プライベートバンカーは、同じ資産運用アドバイザーのファイナンシャル・プランナー(FP)とどう異なるのだろうか。

 前原専務理事は、大きな違いを「ファイナンシャル・プランナーが家計のフローを分析・助言するのに対し、プライベートバンカーはフローとストックを分析して複数世代にわたる貸借対照表を作る仕事」と説明する。

fpプライベートバンカー(PB)は、「資産」「事業経営」「ファミリー」の3領域をカバーする全体最適アプローチで、顧客の問題解決に貢献する
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 つまり、ファイナンシャル・プランナーの仕事は、保険、年金、住宅ローンといった個人のライフプランに関わるアドバイスが中心だが、プライベートバンカーは、資産運用の他、財務分析による事業評価、事業承継、相続など、顧客の事業やファミリーに関する課題の解決にも取り組まなければならない。

 それだけに、あくまでも顧客目線に徹し、顧客が連綿と受け継ぎ増やしてきた富と、あるいは、その源泉である事業を未来に引き継ぐ手助けを行う。

 日本証券アナリスト協会には、企業の事業や資産評価のプロである証券アナリストを50年以上にわたって育成してきた実績がある。ストック分析のプロたるプライベートバンカーの資格を創設する土台はすでにあった。

 とはいえ、同協会の目標は、単に受験者数を増やすことではない。有資格者には、時代とともに変わりゆくニーズに応えるための知識を継続教育によって習得してもらい、常に最適な提案ができるプライベートバンカーとして育成していく。

「富裕層の資産、あるいは事業が長く承継されることで、日本経済が発展します。金融機関も、プライベートバンキング部門を強化すれば、ビジネスチャンスの拡大に結び付くはずです」と、前原専務理事は展望を述べる。