2代目と創業者がケンカする理由とは?

小山 あなたは社長になってから、毎朝、お父さんとミーティングしていましたね。

石坂 はい、毎朝8時30分から15分間。新しいことをやるときには父に対して一生懸命説明し、説得しました。一定の時間内で自分のやりたいことを説明し、最後に「YES」か「NO」かをジャッジしてもらっていました。

小山 それはすごい。私は2代目社長に対し、必ず創業者に報告に行くようアドバイスしています。親子がケンカする一番の原因は、2代目が親に報告しないことなんです。

石坂 創業者は別格だと思っていました。

小山2代目は創業者を大切にすべきです。なぜなら古参幹部の存在があるから。古参幹部にとって新社長なんてどうでもいい。自分たちがついてきたのは創業者であって、息子や娘が社長になっても本心ではついていきたくない。
 でも、創業者を大切にしている2代目ならば「力になってあげよう」という気持ちになります。これが人間の心理。人間心理を無視して会社の経営はできません。

石坂 おっしゃるとおりだと思います。
(後篇につづく)

【エロ本散乱の産廃屋 vs 暴走族だらけの武蔵野】<br />99%の経営者が間違っている!<br />2代目社長が絶対やってはいけないこと<br />小山昇×石坂典子対談(前篇)
<著者プロフィール>
埼玉県入間郡三芳町にある産業廃棄物処理会社・石坂産業株式会社代表取締役社長。99年、所沢市周辺の農作物がダイオキシンで汚染されているとの報道を機に、言われなき自社批判の矢面に立たされたことに憤慨。「私が会社を変える!」と父に直談判し、2002年、2代目社長に就任。荒廃した現場で社員教育を次々実行。それにより社員の4割が去り、平均年齢が55歳から35歳になっても断固やり抜く。結果、会社存続が危ぶまれる絶体絶命の状況から年商41億円に躍進。2012年、「脱・産廃屋」を目指し、ホタルや絶滅危惧種のニホンミツバチが飛び交う里山保全活動に取り組んだ結果、日本生態系協会のJHEP(ハビタット評価認証制度)最高ランクの「AAA」を取得(日本では2社のみ)。
2013年、経済産業省「おもてなし経営企業選」に選抜。同年、創業者の父から代表権を譲り受け、代表取締役社長に就任。同年12月、首相官邸からも招待。2014年、財団法人日本そうじ協会主催の「掃除大賞」と「文部科学大臣賞」をダブル受賞。トヨタ自動車、全日本空輸、日本経営合理化協会、各種中小企業、大臣、知事、大学教授、タレント、ベストセラー作家、小学生、中南米・カリブ10ヵ国大使まで、日本全国だけでなく世界中からも見学者があとをたたない。『心ゆさぶれ! 先輩ROCK YOU』(日本テレビ系)にも出演。「所沢のジャンヌ・ダルク」という異名も。本書が初の著書。