さあ、いよいよ次に第5のテーマ「どのように製品を設計するべきか?」を考えていきます。前テーマのステップ17などで事業単位当たりの経済性を指す「ユニット・エコノミクス」がうまくいくとわかったお陰で、初めて効率的・効果的に製品をつくることができます。

(5)どのように製品を設計するべきか?
ステップ20:新ビジネスに関わる仮説を特定しよう
ステップ21:主要な仮説を改めて検証する
ステップ22:実用最小限のビジネス製品を作る
ステップ23:顧客が代金を払ってくれる製品か検証する

 最後のテーマ「どのように事業を拡大すればいいか?」では、ステップ14で考えた、次の市場とともに、製品そのものの成長戦略を練っていきます。24ステップすべてに高いレベルのインテリジェンスが存在し、統合化されたプロセスであることがおわかりいただけたでしょうか。

 まずは、是非本を読んで(笑)実践してみてください。そして、うまくいかないところがあれば、立ち返ってみてください。とにかく真実に到達するためには行動が求められます。教室に座っていくら学んでも、この本の中だけに真実があるわけではありません。実際に外に出て、お客様に会ってみて下さい。自分の商品がお客様に価値を提供できることを示して下さい。それをお客様が見いだせれば、「良い商品だ」と他のお客様にも伝えて下さると思います。

 とにかく、まずは自分にとってお客様が誰なのか、対象をフォーカスすることが重要なスタートとなります。このプロセスでは、効率性をめざした絞り込みが欠かせません。スティーブ・ジョブズはかつて、「自分がやったことと同じぐらい、やらないと決断したことに誇りを持っている」と言いました。もし、あなたがお客様のためにならないことをやっている場合は、どうしてそんなことをしているのか振り返ってみることが必要です。

起業家になるには、海賊のようなスピリットと<br />海軍特殊部隊が持つスキルの両方が必要だ<br />〜MIT式スタートアップに学ぶ〜スピリットとスキルの両方が必要!       (イラスト:Marius Ursache、本記事中の資料はいずれも転載禁止)

 これもジョブズの言葉ですが、「海軍に入るより、海賊になったほうがずっと面白い!」。海軍の特殊部隊のスキルと、海賊のスピリットーーこの両方が必要です。ジョブズの自伝を読むと、彼は誇り高い海賊であったけれども、信じられないほど高い規律を併せ持っていたことが分かります。その規律をこそ、この本で学べます。

 MITではオンラインのコースも用意しているので、もし興味があれば活用してみてください。非常に人気の高いコースです。来年1月に「アントレプレナーシップ101102」として改めてスタートします。

※12/15に開催した本イベントでは、この基調講演に続いてパネル・ディスカッションを実施しましたので、その様子は次回から公開します。