イスラム国で日本人が人質になった事件が夕方のニュースでいっせいに報じられたのは今月二〇日のことだ。

 その日、テレビ朝日はアジア杯のヨルダン戦中継を組んでいたため、この人質報道には乗り遅れたが、突発的な事件を報じる他局のアナウンサーたちのお粗末ぶりには苦笑を禁じ得なかった。

 最近のアナウンサーはバラエティと報道とをごっちゃにしているからか、それとも報道番組を「やっつけ仕事」とでも思っているのか、めまぐるしく変わる状況にぜんぜん対応できていなかった。特にひどかったのが日本テレビ『NEWS every』の小栗泉だ。

「日本人の身元を確保したとの情報が――」

 映像を見ながらこんなことを言っていた。何なんだよ、身元を確保って? 報道局のベテランからしてこの有様だから、若いアナウンサーのしどろもどろ感にはいい加減うんざりだった。

 もっと驚いたのが、フジテレビのニュースでゲスト出演した高橋和夫だ。放送大学の教授でイスラム問題に詳しいらしいのだが、月内に発売される自分の著書を番組内で紹介したのだから、火事場泥棒を目の当たりにしたような感じだった。自分の本を売ることより、人質の安否を気にしようね高橋くん。

 そーいえば、911同時多発テロ事件のとき、フジテレビの安田美智代記者は、カメラクルーたちに「逃げてー、逃げてー」と叫んでいたね。報道に携わっているくせに真っ先に逃げ出そうとする姿勢に呆れてモノも言えなかったけど、フジも日テレもなんかヘン。自覚の問題なのかも。

 バラエティ番組の進行をやってるアナウンサーが真顔でニュース原稿を読んでると、それだけでものすごい違和感を覚えるが、他の視聴者はおかしいと思わないのだろうか。阿部千代なんか「泥酔」を「どろよい」と読んだんだぜ、ニュースで。

 旧中山道を「いちにちじゅうやまみち」と読んだのは有賀さつきだっけ?

 同胞が人質に取られたってのに緊張感も危機感も感じられないアナウンサーばかりだったが、それ以上に緊張感の欠片も感じられなかったのが、極楽とんぼ・山本圭一の復帰騒動だ(圭壱から圭一に改名)。