ぺヤングにマック、次はどこ?
なぜ異物混入写真が出回るのか

異物混入騒動で露呈したSNS告発の功罪楽しい外食店での食事中、食べ物に異物が混入しているのを見つけたとしたら、消費者の怒りはどこに向かうだろうか

 独立行政法人国民生活センターが昨年12月18日に発表した『消費者問題に関する2014年の10大項目』では、「食の安全と信頼が脅かされる事件が相次ぐ 食品の安全性に関する相談がここ5年で最多」と食品問題が取り上げられている。食品の安全に高い関心が寄せられていることを裏付けるかのように、年末年始は食品への異物混入事件が数多く報道された。

 たとえば、まるか食品株式会社が発売するカップ焼きそば「ペヤング」。昨年12月2日、ペヤングに虫のような異物が混入されていたというつぶやきが写真付きでツイッターに投稿され、爆発的な速度で情報が広まった。このツイッターユーザー・A氏は、2日に保健所とまるか食品に電話。翌3日に保健所とまるか食品の双方がA氏の元を訪れた。

 11日、まるか食品は「異物混入に関する調査結果と商品販売休止のご案内」を発表。外部委託機関で分析したところ、製造過程で異物が混入した可能性を否定できなかったということで、一層厳正な品質管理の徹底を図ること、その一環として当面の間、生産を自粛することを発表した。

 また、年が明けて早々に日本マクドナルドでの異物混入が立て続けに報道される。その皮切りになったのが、青森県三沢市の店舗でチキンナゲットにビニール片が混入していた事件だ。この事件以降、2014年にも消費者から多くの異物混入の報告があったことをマクドナルドが徐々に明らかにし、マクドナルドの対応への非難と不安の声が続々と上がっている。

 異物混入が問題になるとき、今回のマクドナルドの事例もそうであるように、消費者からの苦情を受けたメーカー側が情報を発信するのが常であった。報道においては三沢市のケースだけでなく、異物混入に気づいた消費者が撮影した写真が使用されている。おそらく、その大半が店舗や保健所に被害を訴える際に証拠として撮影されたものであって、公衆の面前に公開することを目的としたものではなかっただろう。