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短答直入

自己資本比率の新たな規制を今は検討すべき時期ではない
全国銀行協会会長(三菱東京UFJ銀行頭取) 永易克典

2009年6月1日
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全国銀行協会会長(三菱東京UFJ銀行頭取) 永易克典
撮影:住友一俊

 前期の銀行決算は、与信費用の増加と株式の減損による打撃を同時に受けたため、非常に厳しかった。おそらく与信費用については、今期も高止まりするであろうが、株式の減損は一服するだろう。

 公的資金の注入については、まずは自力調達を行なうべきだ。公的資金は血税であり、市場レートよりも低いコストで調達できるといっても、それは補助金をもらうのと同じことだ。

 米大手金融機関へのストレステスト(健全性審査)については、市場に安心感を与えたという点で意味のあることだ。不良債権問題から脱却するには厳格な資産査定が重要だ。とはいえ、不良債権がバランスシートに残っていては根本的な解決にはならない。「グッドバンク」「バッドバンク」への整理、不良資産買い取りのための官民共同投資プログラムなど、問題解決への機能は揃っており、適切な対応を期待したい。

 米当局は金融機関に対し、(資本性の高い普通株などを中心とした)「コアTier1」を重視する姿勢を示している。だが、自己資本比率については、BIS規制や米国のFHC(金融持ち株会社)規制などがすでにある。コアTier1の引き上げは資本コストが増えるし、株式の希薄化でEPS(一株当たり利益)も悪化する。

 コアTier1の規制導入の是非については、現段階で議論することではない。金融危機の最大の原因は、非常に高いレバレッジをかけた投資銀行ビジネスにあり、それを規制することが最優先されるべきだろう。(談)

(聞き手:『週刊ダイヤモンド』編集部 池田光史)

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