音楽や漫画などのコンテンツを
ソーシャル化で再興したい!

杉本 ところで、今後のドリコムはどんな事業に力を入れていくんですか。

内藤 音楽や漫画、今、ことごとく斜陽といわれているコンテンツのソーシャル化を構想してる。たとえばゲームも、無料で提供することで圧倒的にユーザーが広がって、ビジネスとして成長することができた。
 同じような手法で、音楽や漫画といったコンテンツのマーケットを取り戻せるんじゃないかと思ってるんです。

杉本 音楽も漫画も、売上げが落ちてると聞くからね。

内藤 だって、今の若い人たちはもうCDプレーヤーすら持っていなかったりするからね。ゲームも同じだけど、ハードはもうスマートフォンだけでいい。
 あと、基本的なコンテンツは無料にしてユーザーを増やして、もっと聴きたい、もっと読みたいという人に少しだけお金を払っていただくようなイメージです。

杉本 たしかに。僕も自宅ではスマートフォンからブルートゥースでスピーカーに繋いで音楽聴いてますね。

内藤 ゲームはおよそ5年でゲーム機からスマートフォンに主役が入れ替わった。音楽や漫画もきっとそうなります。

杉本 これから飛び出してくるドリコムのサービスが楽しみですね。

内藤 ところで、最後にもうひとつだけ本の感想を言っておきたいんですが。いろいろ内幕を知ってる僕が感じたのは、杉ちゃん、湯藤さん(杉本氏が再起する際に行動をともにした湯藤善行氏。現在は株式会社シーラ代表取締役)がいて本当によかったね、と。

杉本 いや、ほんと、おっしゃる通りです。

内藤 正直、あれだけのことがあると杉ちゃんの元から立ち去る人が多かったと思うんだけど。前の会社の時から信頼関係を築いてきた湯藤さんがいたことで、杉ちゃんはこんなに早く再起できたんだと思う。

杉本 この本を出したお祝いの会をしていただいた時にも、いろんな経営者の方から「あのときお前がすごかったんじゃなくて、湯藤さんがすごかったんだ」と釘を刺されました。

内藤 お互い、信頼できる仲間への感謝を忘れずにこれからも頑張りましょう。

杉本 うん、やっぱり内藤さん、レベル上がったね(笑)。

起業家対談シリーズ第4回 内藤裕紀<br />孤独にサービスをつくり続け、人付き合いに無関心すぎた