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サザン桑田佳祐を批判したがる人たち

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第103回】 2015年1月31日
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 桑田佳祐が謝罪した――、というニュースを目にして、はて、桑田さん、いったい何をやらかしたのだろうと思ったら、大晦日に行なわれた年越しライブでの言動だった。

 この年越しライブは皆さまのNHKの紅白歌合戦でも中継されたが、その際、チョビ髭をつけ『ピースとハイライト』を歌ったことが問題視されたらしい。私も紅白は見ていたが、あのパフォーマンスのいったい何がいけなかったのか?

 紅白をご覧になった「皆さま」は、はたして何をお怒りになったのか?

 私にはちょっとわからないのである。チョビ髭がいかんのならかつての加藤茶だって糾弾されたに違いないのだが、批判は『ヒトラーのモノマネをして、安倍首相を皮肉っている』という内容が主だったらしい。

 〈都合のいい大義名分(かいしゃく)で争いを仕掛けて 裸の王様が牛耳る世は
 ……狂気(Insane)〉

 といった歌詞も、『集団的自衛権の行使を認めた閣議決定に抗議するため』というトンデモ解釈まで付いたそうだ。笑っちゃいますね。実は『ピースとハイライト』という曲を知らなかったのですが、一昨年(二〇一三年)の曲だそうです。

 ピースもハイライトも、もともとは煙草の銘柄。それをモジって桑田さんは曲のタイトルにしたのだろうが、直訳すれば『平和と最重要点』だ。意訳すれば『平和と歴史的最重要課題』になる。ハイライトには「もっと陽の当たる場所」という意味もあるとのことだ。

 さて、自分たちの都合のいいように大義名分を仕立ててかつてはベトナムそれからアフガニスタン近ごろじゃ沙漠の国々でドンパチやらかして世界の平和を脅かし、そのくせちゃっかり自国の兵器産業を潤わせている実に身勝手な国家はどこでしょう? というか、自国の兵器産業を潤わすために戦争をしているのですが。自分だけが戦争すると世界の仲間はずれにされるから徒党を組んで他国を叩きます。良い子の皆さんはすぐにわかりますね? その国は、戦争を放棄した日本国にも戦地に赴くよう脅して……、もとい、要請してきましたね。

 だから桑田さんが批判されるいわれはないのだが、年越しライブでのMCとパフォーマンスが騒動をより大きくしたとのことだ。昨秋、桑田さんは紫綬褒章を受章されたが、ライブで陛下のモノマネをしたというのだ。さらにズボンの尻ポケットから取り出した褒章を掲げ、

 「え~、まず五〇〇〇円から行きましょう。欲しい人!」

 とオークションにかけるふりまでしてみせた――、これがネット上での大騒動に発展した。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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