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週刊・上杉隆

八百長問題で相撲協会を気遣うマスコミに自浄能力はあるのか

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第50回】 2008年10月23日
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 元小結・板井――。

 懐かしい響きの名だ。90年代、角界で活躍した板井圭介氏は、当時の「週刊ポスト」の八百長追及キャンペーンの「主役」であった。

 最初は、氏名を明かさない「情報提供者」として、後には顔と名前を明かして、角界に蔓延る不正を世に訴えた。

 その勇気は賞賛に値する。なぜなら、同じ「週刊ポスト」で八百長を告発した別の二人の角界関係者が、相次いでこの世を去ったばかりだったからだ。

 1996年、大鳴戸親方とその支援者は、「週刊ポスト」に告発した後、相次いで命を落とした。二人の死因が肺炎と偶然にも一致したばかりではない。不思議なことに、死亡日も、さらに死亡先の病院まで同じであったのだ。

 1999年、今度は、親方衆と関取の会議の内容を録音したテープが「週刊現代」に報じられ、八百長問題が再燃する。91年に録音されたそのテープの提供者もまた、板井氏であった。

 今週月曜日(10月20日)、筆者は「情報ライブミヤネ屋」(読売テレビ)に出演した際、そのテープの一部を放送で聴いた。

 「優勝とか、大関になろうかという時でも、何回挑戦しても跳ね返される、夜も眠れない、心臓がどきどきする、そういう思いを何回も何回もして勝ち取るもの。これが得がたいものですよね。これを簡単に『カネ』で手に入れるということは、もうこれは稽古も何もしなくていい。絶対にあってはならない故意による無気力相撲が、一部の不心得者によって行われることは許されないことであります」

 「カネ」「仲介」「故意の無気力相撲」――。こうした言葉が二子山親方(当時)の口からついて出る。額面どおりに受け取れば、「カネで仲介した故意の無気力相撲」とは、「八百長」に他ならない。少なくとも筆者にはそうとしか思えない。

 しかし、この期に及んでもなお日本相撲協会は「八百長」の存在を認めていない。角界には単に「故意の無気力相撲」程度しか存在しないと言い続けている。極めて愉快なジョークではないか。

 角界だけに原因があるわけではない。それを報じ続けてきた相撲記者も一蓮托生である。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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