
「公開討論」などで候補者を決するという意見もあった。だが、この選考過程もつねに現職に有利に働くという難しさが伴う。
逆に、世襲候補の取り扱いを定めるという提案もなされた。
明確な世襲候補については、親と同一選挙区からの立候補を禁ずるというものだ。
だが、これもどこまでを「世襲候補」と認定するかで議論が分かれる。常識と化している「三親等」というのも、じつは合理的な基準を元に決めたものではなく、説得力に欠けるきらいがある。
また、なにより、世襲における最大の問題点は、親子同士で、政治資金管理団体を事実上、無税で相続してきたということだ。この問題の根は深い。市井の人々が、資金繰りに悩む中小零細企業の経営者が、代々継がれてきた自営業の店主が、相続税に頭を悩ませ、苦しんできたのに、政治家だけが「特権」的にその苦しみから逃れてきたのだ。
それは、放置されてきたというよりも、あまりのうま味に、知っていて知らないフリをしてきたという方が正しいだろう。
もとより、政治資金規正法では、そうした相続や蓄財は想定されていなかった。政治活動にかかる資金の透明性を図るという目的で設置された法律だからだ。
解決方法としては、政治資金規正法の改正なのだが、なぜか、国会は、法案提出どころか、法案策定作業にすら着手できないでいる。
それは自民党のみならず、この問題を昨年来、話し合ってきた民主党でも同様だ。
参入障壁は下がりそうもない。その間にも、日本の政治の体力はどんどんと失われていくような気がしてならない。
わずかな救いは、こうした危機感が国会議員、とりわけ自民党の中にも確実に広がってきたことだ。