ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く

疑惑のアギーレに選手は声を上げず、
白鵬が謝罪しないといけない、悲しい建前

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第104回】 2015年2月6日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 時間の問題だと思ってはいたが、思っていた時期に、思っていたとおりサッカー日本代表監督ハビエル・アギーレが解任された。契約の解除である。

 日本代表監督に就任する前、アギーレはスペインの一部リーグで『サラゴサ』というチームを率いていた。二〇一一年シーズンの最終節で対戦相手に勝利し、チームの一部残留を決めたが、その試合に「八百長疑惑」が持たれていた。

 スペインのメディアが、アギーレ元監督(を含む複数の関係者)の八百長疑惑を報じたのが昨年九月のことだ。

 記事には、最終節の数日前、アギーレと十一人の選手の口座に、それぞれ八万五〇〇〇〇~九万ユーロ(約一二五〇万~一三〇〇万円)が振り込まれたとあり、そのうち十人がその金を引き出しているが、その金が対戦相手の選手らに渡り八百長試合が組まれたという内容だった。

 アギーレは八百長で試合に勝ったと報じられたのである。

 報道後、日本サッカー協会は事あるごとにアギーレをかばう発言を続けてきたが、ここにきて、ようやくアギーレの監督解任を決めた。スペイン検察当局による告発が受理されたからだ。

 あたかも、一縷の望みを託すかのように、告発が受理されたわけではないという薄っぺらい理由を糧に、大仁邦弥サッカー協会会長も、原博美専務理事も続投の意向を示していたが、アギーレが「被告」となったことで、協会としても契約解除に踏み切らざるを得なくなったというのが真相だ。その前に、先だって開催されたアジア杯で「四強入り」できなければ解任――、というシナリオもあったみたいですが。

 「私どもも反省している。アギーレ監督を選考したあの時点で、監督の八百長疑惑がわかったかどうかはわからないが、今後はこういうことのないように、しっかり調べたいと思う」

 会見で大仁会長はこう語った。日本は政治家も「身体検査」が甘いが、サッカーの世界も同じようだ。いっそのこと、お家芸にしたらどうだろう。

 代表監督を決める決定権を持つのは原博美氏だが、一説によると、この方はスペインサッカーにものすごい執着があるらしく、過去の選考ではとにかくスペイン人監督を、スペイン人がいいよね、が口ぐせで、でもずっとオファーしたスペイン人に断られやむなくこれまでの歴代監督に落ち着いたとの話もある。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く

三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

「新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く」

⇒バックナンバー一覧