クレームを何日間もほったらかしにしていたり、営業マンがお客様との約束を破ったりして、お客様がすごい剣幕で会社に電話をかけてくることもよくありました。

 応募してきた人全員を採用して、研修などもほとんど受けさせずに現場に送り込むような感じでしたから、優秀な営業マンもいれば、社会人としてどうかという人もたくさんいる会社でした。

 私は、社会人として当たり前のこともできない人間とは思われたくなかったですし、自分のいる会社が、そんな人間ばかりの会社だと思われることも許せませんでした。

 ですから、あるとき「帰れ!」と言われても素直に退散せず、なんとかして挽回しようと試みたのです。

「出入り禁止」営業は意外と成果に結びつきやすい

「私どもがやってしまった問題に対しては大変申し訳ありません。お恥ずかしい話ですが私は事情をよく存じませんので、差し支えなければ、お聞かせいただけませんか?」

 そのようにあくまでも低姿勢で尋ねてみると、お客様は怒りながらも事情を話してくれました。そして、

「確かにその対応はひどいですね。ではこのようにすればよかったということですね?」
「まあ、そういうことだな」

 対応策の提案も交えながら話していくうちに、お客様が次第に冷静になっていくのがわかりました。

 ひと通り話を聞いて、最後にこう言いました。

「私は前の営業とは違います。最後に一度だけチャンスをください!」