もう、大量生産
大量消費の
時代じゃない
杉本 ところで、僕自身以前と比べてあまりお金を使わなくなったと感じてるんですが、野尻会長もずいぶんライフスタイルが変わりましたよね。
野尻 そうだね、最近は社用車もやめてタクシーを使ってるし。昔と比べて地味になったけど、地味な暮らしって気持ちいいんだ。
杉本 世の中の価値観も変化している気がします。
野尻 新しいスタイルのウェディングを提案して独立したように、僕がやるべきことはまさに新しい価値観やライフスタイルをクリエイトすることだとも思ってる。
うちは今、新しい価値観のホテル事業を手掛けようとしてるんだけど、それは、オーガニックやエコロジーといった本質的で居心地のいい空間の提言でもある。
杉本 会長は以前から上質なホテルに興味を持ってらっしゃったですもんね。
野尻 もう、大量生産大量消費の時代じゃない。象徴的なのが「サードウェーブコーヒー」というトレンドだよね。詳しいことは説明すると長くなるからググってもらうとして、自分が気持ちいいと感じることに徹底的にこだわる文化が世界中に拡がり始めてる。
杉本 本当の意味での豊かさ、ですね。
野尻 そう。だから最近は葉山に実際自分が住んでみて、地産地消の野菜で料理を作ったり、農園で野菜を作ったりしてる。休みの度にそういう暮らしや、サーフィンするのが楽しいんだよ。
杉本 本質的なところにこだわれば、付加価値の高い事業にもなりそうです。
野尻 本当に、そこが大切なんだと思ってる。地産地消やエコロジーにこだわった空間づくりは、ひいては地域振興にも貢献できるだろうし。事業そのものが社会貢献につながっていくのが理想だよ。
杉本 なるほど。僕も、本質を忘れないように心掛けます。会長の新事業にも期待してますよ！
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起業した会社を上場させ、倒産して地獄を味わい、そこから復活するまでに経験した出来事から、私はたくさんのことを教えられた。 なぜ私は地獄を味わうことになったのか。 なぜ私は復活できたのか。 この5年間の出来事と、私自身が考えてきたことを、正直に書き留めておこうと思う。
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○第1章 絶頂──ワンルーム販売から、総合不動産業。そして都市開発へ
○第2章 暗雲──「傲り」を象徴する出来事が僕を蝕み始めていた
○第3章 地獄──暗闇の断崖を転げ落ちながら必死でもがき続けた
○第4章 奈落──民事再生、自己破産、絶望しそうな淵の底で
○第5章 希望──2年間は修行と決めて真にやりたい事業を見つけ出す
○第6章 感謝──どん底で知った感謝とともに新しい道を歩いていく
