江戸料理に和食の真髄を探る
【第2回】 2015年2月18日 車 浮代(時代小説家/江戸料理研究家)

『桜なべ 中江』(明治三十八年創業)を訪ねて

老舗のヘルシーメニューを有形文化財認定の建物で味わう

 有形文化財に指定された中江の建物は宮大工が手掛けており、関東大震災の大火に遭って建て直しをして以降、東京大空襲を奇跡的に免れた建造物で、90年の歴史を誇ります。

谷文晁作の馬の絵や宮大工の技が結集した欄間ほか、店内は見どころ満載!

 空襲後の焼け野原で、お隣の伊勢屋さんと2軒だけがポツンと建っていたというのですから、「中江」はパワースポットでもあるのかも知れません。

 店内には名だたる文化人たちの絵や書があり、かの「芸術は爆発だ!」の岡本太郎画伯のリクエストによって生まれた中江名物「タロタロユッケ」も由緒ある一品です。

フランスで食べたタルタルステーキに惚れ込んだ岡本太郎画伯がリクエストし、三代目が考案したという、中江名物「タロタロユッケ」。

 中江白志さんに、お客様に対する心構えをお聞きしたところ、「下町らしさ、老舗らしさを感じながらお料理を味わっていただき、食べ終わってからの名残を感じていただきたい」とのことでした。

 また、生まれ育ったこの地を大事に考えている四代目は、5年前、廃業予定だった吉原の名店「金村」を引き取り、外観をそのままに別館としてオープン。

 吉原の一員として町の活性化に向けて、町会の青年部と組んで、様々なイベントを催されています。

 皆様も、ヘルシーでパワーが出る桜鍋をいただきながら、特殊な文化を形成した、吉原という町の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。

 『桜なべ 中江』

◆料金
●主なメニュー
桜鍋ロース1700円、桜鍋ヒレ2600円、桜鍋バラ2600円、桜鍋霜降り3,800円、桜鍋巻ロース4,800。馬刺しロース2000円、馬刺しバラ1800円、霜降り3800円、巻ロース4,800円。タロタロユッケ1480円、タロタロユッケ大(2~3人向)2880円など。

◆店データ
明治三十八年(1905)創業『桜なべ 中江』
四代目・中江白志(なかえ しろし)さん
TEL:03-3872-5398
◆アクセス
住所:東京都台東区日本堤1-9-2
・地下鉄日比谷線「三ノ輪」駅下車9分
・都電「三ノ輪橋」徒歩12分
・都バス「吉原大門前」下車すぐ
◆「桜なべ 中江」ホームページ
http://www.sakuranabe.com

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車 浮代

(くるま・うきよ)

時代小説家/江戸料理研究家。新聞、TV、雑誌などで活躍中。著書に時代小説『蔦重 の教え』(飛鳥新社)、『江戸おかず 12ヵ月のレシピ』『今すぐつくれる江戸小鉢 レシピ』(講談社)、『"さ・し・す・せ・そ"で作る<江戸風>小鉢&おつまみレシ ピ』(PHP研究所)等がある。
オフシャルサイト http://kurumaukiyo.com
国際浮世絵学会会員 日本ペンクラブ会員


江戸料理に和食の真髄を探る

健康・長寿にもつながる江戸時代に生まれた料理の数々。和食の原典ともいえる、江戸料理の醍醐味&真骨頂を、各種の老舗に学びます。

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