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岸博幸のクリエイティブ国富論

労働組合の顔色ばかりうかがう
民主党の政策が日本をダメにする

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第77回】 2010年2月19日
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 民主党政権の政策を批判し出したらきりがありません。経済学を理解していない、バラマキ、政府の肥大化など、いくらでも批判できます。

 ただ、自民党政権時代の政策にもそうした批判はある程度当てはまりましたし、政治のリアリティを考えるとやむを得ない面もあります。しかし、最近の民主党の幾つかの政策を見ていると、より厳しく批判すべき点が共通しているように思えます。

 それは、労働組合への過剰な配慮です。

公務員制度改革のまやかし

 前回批判しました公務員制度改革法案については、先週閣議決定が延期になり、その後の修正案を見る限りは、次官・局長クラスから部長クラスへの転任も制度上は容易となりました(公務員の身分保障との関係で人事院とどのように調整したのか不明ですので、本当に機能するかまだ信用できませんが)。

 しかし、修正された法案でも、部長クラスから課長クラスへの降格は規定されていません。降格はごく一握りの幹部クラスの間のみに限定されているのです。加えて言えば、人事院の権限は内閣人事局に移管されませんし、給与法は改正されませんので公務員全体の給与も下がりません。公務員制度“改革”と言う割には明らかに不十分なのです。

 そうなってしまった原因は、間違いなく公務員労組とキャリア官僚への配慮でしょう。組合は、降格規定が下のクラスにまで波及することを嫌っていますし、人事院が今のままでスト権も付与されない状態を望ましく思っています。かつ、幹部人事に真剣に手を突っ込み出したら、キャリア官僚を完全に敵に回してしまうので、それを避けたのでしょう。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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メディアや文化などソフトパワーを総称する「クリエイティブ産業」なる新概念が注目を集めている。その正しい捉え方と実践法を経済政策の論客が説く。

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