なぜ、「起承転結」ではダメなのか?

 ところで、話の展開方法としては「起承転結」があります。

 これは、「起」で始めて、「承」で受けて、「転」で転回し、「結」で結論を述べるという4部構成です。長年、日本の学校教育で採用され、馴染みのある文章スタイルです。

 しかし、これはビジネストークには不向きです。もともと、中国の漢詩の構成からきたもので、情緒的で短い話には適していますが、論理性を重視するビジネストークでは、かえって聞き手を混乱させてしまいます。とくに、「転」で話を転回することは、論旨と関係の薄い話題を持ち出してもいいと解釈できます。話をドラマチックに盛り上げるには効果的ですが、論理が破たんする恐れが大きいのです。

 また、起承転結では、なにが結論なのか、聞き手には最後までわかりません。したがって、話し手には、聞き手を最後まで飽きさせない「話力」が求められます。あなたには、そこまでの自信がありますか?