設置する会社も増えてきている社内のカウンセリングルームですが、利用率はあまり高くないのが日本の現状です。そこには、自分の弱みを他人に知られたくないという心理がまだ働いているようです。

 それに対して、利用率をどんどん伸ばしているのが、インターネットを利用した「ウェブ・カウンセリング」です。

 私の会社が行なっているケアのサービスも、最初は対面式のみからスタートしましたが、のちにウェブによるカウンセリングも導入するようになりました。今では、契約企業のすべてに、ウェブ・カウンセリングのシステムを導入しています。

 私が契約先の会社に行けるのは月に数回。そのため、それ以外のときに相談したいことができた場合、あるいは次のカウンセリングまで待てないという人のために、オンラインで私やほかのカウンセラーがケアできる仕組みをつくったのです。

 実際に導入してみると、ウェブ・カウンセリングはすぐに多くの人に利用されるようになりました。ほかの人に知られず、また、忙しくて仕事以外の予定を立てにくい従業員にとってウェブ・カウンセリングはとても使い勝手のいいものだったのです。

 従業員がウェブ・カウンセリングを利用するようになるのは、企業のイントラネットが重要な役目を果たしています。イントラネットの掲示板では、「ストレスとは?」「ココロのケアとは?」といった啓発のためのメニューと並んで、ウェブ・カウンセリングのメリットを紹介します。それを目にした従業員は、ウェブ・カウンセリングに興味をもち、軽い気持ちでカウンセリングを利用するようになるのです。

 ウェブ・カウンセリングは、ストレスでつらくなっている人には、メールのやりとりをするだけで癒す効果が期待できると同時に、対面式カウンセリングの補助をする役目も果たします。

悩みを文字にすることの効果

 そんなウェブ・カウンセリングにはさまざまなメリットがありますが、その中のいくつかを簡単に紹介しましょう。