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日本にカジノは必要か?

日本企業にとっての
カジノ解禁によるビジネスチャンス

古嶋 雅史 [アクセンチュア]
【第4回】 2015年2月25日
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Global Gaming EXPO 2014年会場にて筆者撮影

 日本にとってカジノを含むIR(統合型リゾート)の解禁には、賛否両方の論点があることをこれまで述べてきた。ちょうどこの原稿を書いている2月19日、政府が大阪市と横浜市の2ヵ所で、2020年までに統合型リゾートの開業を目指す方針であるとの報道が流れた。 通称「カジノ法案」が成立していない現段階では、これは正式な決定ではあり得ないが、少なくとも、IR解禁に向けて水面下での活動が本格化してきていることがうかがえる。

 仮に解禁した場合においても、日本にとって有効な(メリットを最大化し、デメリットを最小化する)ビジネスモデルを構築する必要があり、そのビジネスモデルに誘導するために規制やルールを効果的に設計し、さらに狙いたいビジネスモデルに対する経験と実績のあるカジノオペレーターをパートナーとして選んでいく必要がある。

 そして、統合型リゾートによる経済的な波及効果を、一部の企業のみでなく、多くの日本企業が実感できるようになってこそ、意味のある取り組みだと思う。今回は、日本企業にとってどんなビジネスチャンスがあるのか、という点に注目して話を進めていきたい。

統合型リゾートが解禁されると、
どんなお金の流れが起こるのか

 大まかに言って、3つの領域で大きなビジネスチャンスがある。1点目は、一施設あたりの投資予算が数百億から数千億といわれる統合型リゾートの開発プロジェクトそのものに関与することである。2点目は、カジノオペレーターとして実際の運営に参画することである。ただし、海外のカジノオペレーターと共同で行うという形が現実的だと思われる。

 そして、一番裾野が広いのが3点目で、統合型リゾートを運営していく上で必要となる、製品やサービスをカジノオペレーターに対して提供していくビジネスである。

 日本が目指す統合型リゾートはカジノだけでなく、ホテルやレストラン、ショッピングモール、劇場、展示場など数多くの施設を併設するものとなる。カジノオペレーターは、他の類似の施設にないような、デザイン性が高く、顧客の興味をひくような斬新な大型施設を設計、開発するだけでなく、持続的に魅力的なサービスを提供し続けるために、常にいろいろな企業と連携を強化し、エコシステムを作っていく必要がある。

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古嶋 雅史 [アクセンチュア]

こじま・まさふみ/アクセンチュア 通信・メディア・ハイテク本部 メディアエンターテイメント統括 マネジング・ディレクター。京都大学工学部卒。1999年にトーマツコンサルティング(現デロイトトーマツコンサルティング)入社。同社の情報・メディア・通信グループ統括パートナーを経て、2011年にアクセンチュア入社。アクセンチュアではメディア・エンタテイメント業界統括として、メディア・エンタメ企業をはじめ、通信やハイテク企業に対するサービス事業検討も手掛ける。また、当業界に絡む政策提言を、総務省や経済産業省、内閣府等に対して継続的に実施。主な共著「パブリックディプロマシー戦略」など。

 


日本にカジノは必要か?

カジノをめぐる是非の議論は、すでに10年以上も続いているが、安倍首相の前向きな発言を受け、にわかに報道も過熱している。日本にとってカジノは必要なのか、そしてカジノは何を生み出すのか。本連載は、客観的なデータと海外の事例を含め、日本の統合型リゾートのあり方を考えていく。

「日本にカジノは必要か?」

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