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「オグシオ」ペア解消の決定打は、
体よりも“心”の疲労感

――引退か?現役続行か?選手が去就を考えるとき

相沢光一 [スポーツライター]
【第36回】 2008年11月18日
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 バドミントンの日本一決定戦・全日本総合選手権の女子ダブルスで、“オグシオ”こと小椋久美子・潮田玲子組(三洋電機)が優勝、5連覇を飾った。

 大会前の記者会見で明らかにしたように、オグシオはペアを解消する。12月28日まで続く日本リーグには“オグシオ”で出るようだが、個人タイトルがかかる大会での出場は最後。しかも決勝の相手は北京オリンピック・ベスト4の“スエマエ”こと末綱聡子・前田美順組(NEC・SKY)。ベスト8に終わり、評価が落ち気味だったオグシオとしては、名誉挽回がかかる一戦だったのである。

 試合は双方が持ち味を余すことなく出し合う名勝負だった。両ペアに実力差はない。それでも勝利をたぐり寄せたのはオグシオ。最後の最後でこのような舞台が用意され、有終の美を飾るのだから、オグシオは美貌だけではなく、トップアスリートとしての何か特別なものを持っている。

年齢だけでは判断できない
「選手の去就」の妥当性

 試合後、潮田はペア解消の経緯を報道陣に語ったという。小椋から「次のロンドンオリンピックは違う選手と組んで目指す」と言われたというのだ。小椋も現役続行かどうかで悩む潮田の心情を察して、こう言ったのだろう。それが「2人の目標が変わってしまった」という表現になった。

 オグシオはともに25歳。衰えが出る年齢ではない。むしろ選手としてこれから脂が乗ってくる時期だ。ファンからすれば「ふたりでロンドンでのメダルを目指します」と言って欲しかった。だが、結論はペア解消。潮田はキュートなルックスと明るいキャラクターを持ち、テレビ局から「スポーツキャスターに」とのオファーがあるといわれる。去就に悩んだのは、そのためと勘ぐられた。

 しかし、それだけではないはずだ。オグシオはオリンピック出場を目標として選手生活を続けてきた。ハードルは高い。オリンピック・ダブルスの出場枠は16。出場資格を得るには前年、世界バドミントン連盟(BWF)が認める国際大会で好成績を収め、世界ランキング上位に入っている必要がある。1年間、緊張を持続し、ベストの結果を収めなければならない。とくに人気者のオグシオは出場して当然という空気があった。そのプレッシャーは大変なものだったはずだ。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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