クライシス対策の「さ・し・す・せ・そ」

 私は、クレームやトラブルへの対応について、しばしば「サ行(さしすせそ)」で説明する。クライシス対策を立てるときにも、次のように整理している。

さ:最悪の状況を想定する……リスクを予測するだけでなく、いざというときのために覚悟を決めることができる

し:心配しすぎない……いったん覚悟を決めたら、無理をして「百点満点の解決」を目指す必要はない

す:隙をつくらない……クレーマーが仕掛けるワナにかからないように、自分の心に「カギ」をかける

せ:責任感をもつ……顧客や同僚に対する責任感が、クレーム対応においても「底力」となる

そ:相談をためらわない……悩みをひとりで抱えこまず、上司や同僚に相談して組織のバックアップを仰ぐ

 おわかりのように、ここでいうクライシス対策とは、メンタル面の強化である。じつは、こうした心構えが、手強いクレーマーを相手にしたときもパニックに陥らないために必要なのだ。

 リスク予測にせよ、クライシス対策にせよ、日頃から習慣づけておきたい。