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【特集・クラウドと、どう向き合うか(2)】

企業のどんなニーズにも応えるフルライン戦略
――日本IBMのクラウド事業

松岡 功 [ITジャーナリスト]
【第79回】 2015年2月26日
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クラウドコンピューティングは、ICTベンダー自身にも従来の製品販売からサービス提供へと、ビジネスモデルの大きな転換を迫る。果たしてベンダー各社は、どのような事業戦略を描き、激戦市場を勝ち抜こうとしているのか。今回は日本IBMの取り組みを紹介する。

ユーザーニーズに応じて
さまざまなクラウド利用形態を提供

 クラウドには、サーバやソフトウェアを、不特定多数が共有して利用する「パブリッククラウド」、企業が個別に利用する「プライベートクラウド」、それらを連携して利用する「ハイブリッドクラウド」といったサービス形態がある。

 その中でもクラウドが注目を集めるきっかけになったパブリッククラウドには、ハードウェアを中心としたICT資源をサービスとして利用する「IaaS(Infrastructure as a Service)」、ソフトウェアの開発・実行基盤である「PaaS(Platform as a Service)」、アプリケーションソフトウェアを利用する「SaaS(Software as a Service)」がある。

 IBMのクラウド事業は、これらをすべて手掛けている(図1参照)。日本IBMでクラウド事業を統括する小池裕幸執行役員はその特徴について、「既存のシステムとクラウド環境を最適なバランスで選択できることにある」と言う。どういうことか。

 小池氏は図2を示し、他のクラウドベンダーとの違いを踏まえて次のように説明した。

 「企業が使うITの構成要素は、図の左側にあるように、ネットワークからストレージ、サーバ、OS、ミドルウェア、アプリケーション、データなどといった階層に分かれている。これまでの企業内システムは、こうした階層をすべてユーザーごとに独自で所有してきた。これに対してクラウドベンダーは、IaaSではハードウェア層、PaaSではミドルウェア層、SaaSではアプリケーション層までをユーザー間で共有して利用できるようにしたサービスを提供している」

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松岡 功 [ITジャーナリスト]

まつおか・いさお ITジャーナリストとして複数のメディアにコラムや解説記事を執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などで記者およびIT系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。


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