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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

人を育てる能力を失うのは小利に目が眩んだと同じ

上田惇生
【第128回】 2009年3月26日
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ネクスト・ソサエティ
ダイヤモンド社刊
2310円(税込)

 「さしたる注目を集めることなく、いま驚くべきことが起こっている。第一に、働き手のうち唖然とするほど多くの者が、現に働いている組織の正社員ではなくなった。第二に、ますます多くの企業が、雇用と人事の業務をアウトソーシングし、正社員のことさえマネジメントしなくなった。流れが変わる気配はない。むしろ加速している」(『ネクスト・ソサエティ』)

 雇用と人事は費用がかかるだけではない。時間と手間を要求する。

 圧倒的に多くのマネジメント、特に中小企業のマネジメントが、製品とサービス、顧客と市場、品質と流通という業績向上のための時間がないとこぼす。本業の仕事ではなく、雇用関係の規制という問題に取り組まされている。

 これが今日世界中の先進国に共通する傾向だとドラッカーは言う。

 しかも規制が要求する費用と労力のほかにも、人材派遣会社と雇用業務代行会社の成長を促す要因がある。知識労働の特性、特に知識労働者の極度の専門性である。

 知識を基盤とする大組織には、多様な専門家がいる。彼ら全員をいかにマネジメントするかが、問題である。それぞれの専門家がそれぞれの期待と要求を持つからである。

 だが、人の育成こそ最も重要な課題であることを忘れてよいはずはない。それは、知識経済下において競争に勝つための必須の条件である。

 「雇用と人事を手放すことによって人を育てる能力を失うならば、小利に目が眩んだとしかいいようがない」(『ネクスト・ソサエティ』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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