フィリピン 2015年3月5日

マニラに新しくできた巨大エンタテインメント施設
CITY OF DREAMSに行ってきた

フィリピン在住19年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者のためのなんでも相談所」を運営しながら、仕事のパートナー一家と一緒に暮らす志賀さん。フィリピンに今年2月にオープンしたばかりの、金色に輝く巨大なビルにカジノとホテルを擁する未来都市「City of Dreams Manila」レポートです。

 マニラ湾の沿いのロハスブルバード通りを空港方面(南)に走り、モール・オブ・エイシアMall of Asiaを過ぎたあたりの埋立地の開発が急ピッチで進んでいる(行政地区としてはパラニャケ市に属する)。エンターテインメントシティと称し、カジノを中心としたリゾート施設+経済特区で、最終的には約1兆ペソ(約2兆7000億円)の投資が行なわれるという。

 空港からのスカイウエイの建設も急ピッチで進められ、モノレールの建設計画もある。いずれアジアではマカオに次ぐ一大カジノ地帯が出現し、中国、香港、シンガポールなどのカジノ好きの中国人など、東南アジアの観光客でにぎわうことになるだろう。

 その地域に、ソレア・リゾート・アンド・カジノSOLAIRE Resort and Casioに次いで第2弾として開業したのが、シティ・オブ・ドリームズCITY OF DREAMS MANILAだ。金色に輝く巨大なビルにカジノと三つのホテルを擁するまさに未来都市だ。

 フィリピンは政府系のPAGCOR(フィリピン・アミューズメント・アンド・ゲーミング公社)経営のカジノが各地にあり、隠れたカジノ天国でもあった。ちなみにマニラには、リゾートワールド(ニューポートシティ、パサイ)、ヘリテージホテル(EDSA、パサイ)、マニラ・パビリオン・ホテル(エルミタ、マニラ)、ハイアット・マニラ・ホテル(マラテ、マニラ)などの本格的カジノがある。

 マニラ新聞でグランドオープン(2月2日)の記事を見て、さっそく見学に行った。マカパガル通りを南に下ると、いやでもCITY OF DREAMSの金入りの文字とタマゴ型のビルが目に入る。その手前を左に折れると駐車場への入口だが、まずはその広大な駐車場にびっくりする。開業したばかりだというのに、駐車場の1階は車でいっぱいだった。

まさに未来都市を髣髴させる奇抜な外観のビル群に圧倒される【撮影/志賀和民】
カジノは1階と2階で、上階はホテルとなっている。無数のスロットマシンやバカラなどのテーブルが配置され、ディーラーが手持ち無沙汰に客を待っている。ちなみに21歳未満は入場禁止だ。カジノの全容をムービーで撮ろうとしたら、係の人があわてて駆け寄ってきて制止されてしまった【撮影/志賀和民】
カジノ場の周辺は、レストランとショッピングモールだが、まだ、工事中のところが多い。先日、ここで撮影されたデカプリオ(右端)の映画の写真がいたるところに飾ってあった【撮影/志賀和民】

広々とした通路には奇抜なオブジェが天井から下がっている。2本の糸で操られ、それがいろいろな模様を作っている。動画も見てほしい【撮影/志賀和民】
ここはいったい何なのかと係員に聞いてみると、ナイトクラブとのことだった。この周辺は何もないから、ビルの中で何でも完結させようという魂胆だろう【撮影/志賀和民】
カジノの隣にはホテルが3つ営業していた。客の大半は中国人で、香港やシンガポールからさっそくやってきたのだろう【撮影/志賀和民】
カジノを楽しむのが目的ではない、来場者は夢のような光景に記念写真を取りまくる。原則カジノは撮影禁止なのだが、背景に写ってしまう限りは問題なさそうだ。ちなみにカジノの入口はオープンで、そのまま入っていけそうだが、要所要所に係りの女性がいてしっかり見張っている【撮影/志賀和民】

 これだけの施設をつくるには1000億円近いお金がかかっているのではないか。ホテルも合わせれば1000人くらいの従業員を抱えて、その訓練に年単位の時間を費やしたものと推察される。私の古巣のビジネス、石油精製プラントや天然ガス液化プラント施設や、同行した友人の古巣の原子力発電所の建設と試運転にも匹敵するのではないかと、ため息が出た。

 フィリピンへの工場誘致も経済効果は大きいが、こんな施設はフィリピンには持ってこいの投資経済効果をもたらすものと思える。明るくてサービス精神旺盛なフィリピン人にとってサービス業は得意とするところで、わざわざOFW(海外出稼ぎ労働者。Oversea Filipino Workerの略)になって外国で働かなくても、ここに膨大な雇用のチャンスが生まれるはずだ。

(文・撮影/志賀和民)

著者紹介:志賀和民(しが・かずたみ)
東京出身。東北大学大学院修了後、日揮(株)入社。シンガポールにをかわきりに海外勤務を歴任。1989年日揮関連会社社長に就任しフィリピンに移住。2007年4月PASCO(サロン・デ・パスコ)取締役。

 


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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