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アマデウスたち

川瀬賢太郎
未来のカリスマを予感させる23歳

週刊ダイヤモンド編集部
【第39回】 2008年7月25日
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川瀬賢太郎
写真 加藤昌人

 ホームビデオには、箸を指揮棒代わりに振る幼い頃の姿が残っている。幼稚園の卒園アルバムに記した将来の夢は指揮者。サッカーにも夢中になったが、進路に迷いや疑いを持つことなど一度もなかった。

 2006年10月、伝統ある東京国際音楽コンクールの指揮部門で、最高位(第1位なしの第2位)に輝いた。東京音楽大学在学中の、21歳での快挙だった。2007年3月、東京と西宮でのデビューコンサートを聴いた指揮者の外山雄三は、「端正でムダのない動きがコンクールでも高く評価されたが、東京でじつにたくさんのことを新しく身につけ、西宮で豊かな音楽を全身で表現したことに感心した。これほどはっきり、経験の成果を体現できる音楽家は多くない」と絶賛した。

 世界屈指のラトル、アバド、ハーディングを尊敬し、3つ年上の新星、デュダメルを意識する。彼らのような「カリスマになりたいと、3年前までは思っていた」。先走る思いを静めるように、「今はスコアと向かい合って、過去の偉大な作曲家が伝えようとした本質をとらえることを学んでいる最中」と言う。オーケストラに対しても、「長年培われたプロの技ならではの表現を邪魔してはいけない。口やかましく指図しないほうが、音楽が動くときがある」とあくまで謙虚だ。

 音楽に、それをつくり奏でる人間に誠実であろうとする真摯な潔さが、未来のカリスマをつくるのだろう。

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 遠藤典子)

川瀬賢太郎(Kentaro Kawase)●指揮者。1984年生まれ。2007年東京音楽大学音楽学部音楽学科作曲指揮専攻(指揮)を卒業。2006年東京国際音楽コンクール(指揮)で最高位(第1位なしの第2位)。人気テレビドラマ「のだめカンタービレ」の指揮指導を務める。

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