「大阪」に投資の理由(1)
物件価格は東京の60%
新築の利回りは4%以上

mouriリンクス 毛利英昭 代表取締役
もうり ひであき/1972年、福岡県生まれ。ファイナンシャルプランナー(FP)。立命館大学経済学部卒業後、金融、大手マンションデベロッパーを経て2009年、リンクスを設立。FPとしての視点から、大阪のワンルームマンション投資に関するアドバイスを行う。このほど、『ファイナンシャルプランナーが教える「大阪」ワンルームマンション投資術』(ダイヤモンド社)を上梓
Photo by KUNIKO HIRANO

「大阪のワンルームマンションの一番の魅力は、何といっても大都市でありながら東京に比べて地価が安いこと。その分、物件価格も割安になります」

 近年の再開発で人口が急速に増えている大阪市の中心部(北区・福島区・中央区・西区・天王寺区・浪速区、以下『大阪中心6区』)の投資用ワンルームマンションを扱う不動産分譲・仲介会社のリンクス・毛利社長はこう述べる。

 同社の調査によれば、専有面積20平方メートル強の新築物件の場合、大阪中心6区での平均販売価格は約1600万~1900万円台。

 東京の都心部で同じ面積の新築ワンルームマンションを買うとなると3000万~3500万円は下らない。半額とは行かないまでも、大阪なら東京のおよそ60~70%の予算で買えるのだ。

 なぜ、東西で物件価格にこれほど開きがあるのか。毛利社長は、次のように分析する。

「2020年に東京五輪の開催が決定して以来、建築費の高騰と外国人も含む投資家の流入で、東京の地価は大きく上昇しました。もともと東京のワンルームマンションは、販売価格の約60%を土地の価格が占めています。ですから、地価が上がると販売価格も大きく上がってしまいます。これに対して大阪では、販売価格に占める土地の価格は約30~40%程度。したがって、同じ面積、立地条件およびグレードのワンルームが1000万円以上も安く買えるのです」

 物件を安く取得できれば、その分、投資利回りも大きくなる。

大阪中心部再開発の影響もあって、北・福島・中央・西・天王寺・浪速の「大阪中心6区」では、対前年比1%以上の人口増加が見られる
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「当社が扱っている大阪中心6区の新築ワンルームマンションは、家賃相場も東京より割安なのにもかかわらず、年4~4.5%の表面利回りを実現しています。物件取得価格の相対的な割安さが高い収益性に結び付いているのです」(毛利社長)

 相対的に物件を安く購入できることから、同社の物件を購入する層は、年収500万円からそれ以上の一般会社員や公務員がコアだという。リターンの良さとも相まって、地元大阪はもちろん、東京、その他の地域に住む人が、大阪の投資用ワンルームマンションを購入する動きも広がっているという。

「年収500万円」は、国税庁の「平成25年分 民間給与実態統計調査」(2014年9月)によれば、給与所得者男性のほぼ平均年収(同調査では511万円)に当たる。

 この「年収500万円」が持つ意味は非常に大きい。なぜか。