シーン3
成長の実態を測定したり、上手に伝えることができない

 部下のスズキくんの仕事ぶりが非常によくなりました。成果も上がり、本人の表情も明るくなりました。ただ、ヤマダさんがほめても、「いえ、まだまだです」と照れるばかり。もう少しわかりやすく成長していることを表現し、さらに自信を強めてもらいたいのですが。

 

ベストプラクティス3
成長ゴールに対する達成度合いを基準に認識させる

 部下が業務経験から得た学び(教訓)を得ることができたならば、それを成長実感につなげることが重要です。

 当初設定した成長ゴールを本人に再確認させ、それに対する達成度合いを基準に、日々の成果・課題を認識させます。

 例えば、次のような伝え方が可能です。

「一人で○○業務をできる能力を100点とすれば、今回の経験で70点位まで来たんじゃないかな。次は○○できるようになれば、さらに100点へ近づくと思うよ」
「『 ○○ できる人物』の10の要件のうち、今回で7つはクリアできたね。がんばって、残り3つもクリアしよう」

 また、時間や仕事をモノサシ(基準)として成長の実態を伝えると、部下にとって理解しやすくなります。

 例えば、次のような言い方でスキル向上を評価できます。

「○○業務について、前回やったときが50点だとすれば、今回は90点をあげられるよ」
「~ができるようになったから、○○の仕事をお願いできるね」
「次回○○をするときには、○○さん一人に任せることができるよ」

 ОJT指導者との対話によって納得して決めた成長ゴールに対して、どのぐらい達成したのか。それを、本人に響く表現で伝えてください。