雨水(うすい)
新暦で2月19日~3月4日頃

「雨水」は寒気がゆるみ、降る雪が雨となり、積もった雪が溶けて水になる頃です。奈良の若草山、京都の大原、山口の秋吉台などでは春の風物詩として野焼きがありますが、これらの行事は雨水に行われます。

春の養生法:苦味と酸味の食材を多めに摂る

 この時期には新しくスポーツを始める、あるいはスポーツを行うための準備や計画を練ることがおすすめです。

 痛風や胆石を持つ方は痛みが出やすくなります。またアレルギー症状も出やすくなる時期です。春はあらゆるものの目覚めの時です。隠れていた症状も表れてきてしまうのです。痛みはその場所に滞りがあることの表れです。リンパや血液の流れをよくするためには、体操やマッサージが効果的です。脇を伸ばす、腕をひねりながら伸ばす、肩甲骨を寄せたり広げたりするなど、普段運動をしない人も春には体を動かしましょう。

 いちごは、その酸味が春には必要で、爽やかに体を引き締めます。気血を調整し血行不良にもよい食材です。

啓蟄(けいちつ)
新暦で3月5日~3月20日頃

「啓蟄」の時期には、冬ごもりしていた虫が春の暖かさを感じて地中からはい出し始めます。一雨ごとに春の気配が訪れます。桃の花の咲く時期で、桃の節句などの行事が行われます。

春の養生法:苦味と酸味の食材を多めに摂る

 この時期は花粉症のピークになります。春は動き始め、「立春」くらいから花粉症の症状が出始める方が多いのですが、この虫も動き出す啓蟄の時期にピークになります。じつは花粉症を治すためには冬の養生が重要なのです。冬は滋養強壮の食事を心がけ、ゆっくり寝て体力を温存します。これでまず免疫力をアップさせます。そして春になったら、酸味の食べ物や肝臓強化のシジミや椎茸などを食べたりして、便秘しないようにデトックスします。

 自律神経が弱っている方は、情緒不安定からうつ病になりやすい時期です。うつ病予防には、呼吸法が非常に効果があります。特に朝の太陽を見ながらの深呼吸が、春の季節には最も効果的です。

 桃の節句には蛤(はまぐり)が食されます。貝殻が二つ合わさったものなので、めでたいものの象徴とされますが、健康を保つのにも有効です。気を鎮め、痰を切るとともに口渇を癒し、視力低下を治します。解毒作用もあります。