日本一の夢を決めるイベント「みんなの夢アワード」、その第5回目となる「夢アワード5」の決勝大会が、今年も2月23日月曜日、日本武道館で開催された。ファイナル・ステージに立ったのは次の7名(敬称略)。

◎三陸の若手漁師の団体「フィッシャーマン・ジャパン」共同代表の阿部勝太
◎まったく新しいスキームの寄付サイト「Olive」を運営する如月音流
◎島根県・海士町での高校教育を成功させ、そのモデルを普及させることで日本全国の過疎地再生に取り組む藤岡慎二
◎世界で唯一の5本指が動く義手を開発するサイボーグ研究者・粕谷昌宏
◎四つ葉のクローバー探しの天才少女・生澤愛子
◎宇宙デブリ清掃という世界初のビジネスに取り組む岡田光信
◎カンボジアの貧しい農村で映画上映会を展開する映画配達人・教来石(きょうらいせき)小織

 このなかで、今回のアワードに輝いたのが教来石小織さんである。

途上国支援で忘れがちな、給食やワクチンよりも大事なこと「みんなの夢アワード5」のグランプリに輝いた教来石小織(きょうらいせき・さおり)さん。カンボジアで映画配達人を務める彼女に、多くの人が共感した

カンボジアの子どもたちに
日本のアニメを届ける

 教来石さんの取り組みというのは、非常にシンプルだ。貧しくてテレビもない、映画など観たこともないようなカンボジアの貧しい農村に行き、企業から提供されたスクリーンとプロジェクター、そして現地で借りた発電機で日本のアニメ映画を上映するというもの。

途上国支援で忘れがちな、給食やワクチンよりも大事なことカンボジアの貧しい農村で日本アニメを上映。延べ11ヵ所、約1200人の子どもたちに映画を届けてきた