アラブ 2015年3月10日

教えて! 尚子先生
「私が見たアンマン」【中東・イスラム初級講座・番外編】

今回のIS(イスラム国)による日本人人質事件で、よく耳にするようになったヨルダンの首都「アンマン」。そのアンマンで暮らした経験を持つ中東研究家の尚子先生が、ヨルダンとはどんな歴史を持つ国で、アンマンとはどんな街なのか、体験を元に語ってくれました。

 IS(イスラム国)による人質事件やパレスチナでの紛争の際に、よく日本からの特派員が中継を行なっているヨルダンの首都・アンマン。いったいどんな都市なのでしょうか?

 今回は番外編として、私が2年間滞在したアンマンについて、紹介してみたいと思います。

 アンマンは丘の街です。橘玲さんが滞在記「世界投資見聞録」の中で、その歴史と現状を詳しく記してくださっているので、まずはそちらをご覧ください。

●参考記事:[橘玲の世界投資見聞録]ヨルダンの首都アンマンは、茫漠の街

標高約1000メートルの丘の街「アンマン」

 アンマンについて、よく観光ガイドなどには7つの丘の街と書かれていますが、実際は大小20もの丘からなる標高約900~1000メートルの街です。標高が高いので沸点は約95度、パスタを時間通りにゆでると、とても固くておいしくないパスタが出来上がってしまいます。

 また、空気も若干薄いので運動しようとするとすぐに疲れてしまいます。ですから、橘さんの「茫漠の街」でも触れられているように、街に人が歩いていない!という現象になってしまいます。とくに冬は雨が降って寒いので、道を尋ねようにもまったく人が歩いてないという状況に出くわすことが多々あります。

 冬に雨が降ると説明しましたが、気候は地中海性気候にちかいステップ気候です。南のエジプトからの砂嵐とともに春になることが多く、春は3月初旬の1、2週間だけです。このとても短い春に、荒涼とした土漠にも小さな花がいっせいに咲き乱れます。日本でみかける半分以下の小さな赤いケシや、菜の花、桃に似たアーモンドの花などをみることができます。

ブラック・アイリス(国花)の咲く春=アンマン郊外/ヨルダン【撮影/安田匡範】

 その後11月ぐらいに雲が現れると秋で、それまでの約8カ月間が夏という大まかな区分になります。夏には雨が1滴も降りません。街路樹や草木は砂をかぶって真っ白なままじっと耐えています。気温は30~40度ぐらいで、湿度がきわめて低いため、木陰なら涼しいと感じられます。そのため、湾岸諸国から避暑に来る人も多く、別荘も多いので、夏は一気に人口が多くなり、アンマンが最もにぎわう季節です。

 昼間はとても日差しが強いため、外を歩いている人はまばらで、夕日が落ちてから人々は活動を始めます。子どもたちが外で遊び始めるのも夕方以降です。ヨルダン人の夕食はとても遅く、通常9時ぐらいから始まり、お酒なしで11時、12時まで延々と宴会が続きます。

 春から夏にかけてのヨルダンの人々の楽しみは、夕方から夜にかけての「ピクニック」。アンマンから空港までの道路脇で、車のライトをつけてサンドイッチやバーベキューを家族や友人と楽しみます。

 秋は1、2週間しかなく、すぐに雨が降り出します。雨が降ると冬。石造りの建物が多いので、かなり冷え込みます。時には雪も降ります。雪を一目みたいとサウジアラビアなどから車を飛ばして見学に来る人も多いのですが、チェーンなど冬装備をしていない車で見学に来るので事故が多発し、注意が必要です。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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