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齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

「ロボット=鉄腕アトム」の固定概念が
技術開発の邪魔になる

齋藤ウィリアム浩幸 [内閣府本府参与]
【第10回】 2015年3月16日
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これからのお金儲けは
“ソフトウェア”の世界が中心に

 現代のビジネスでは、システムとパーツの儲けの割合は10対1程度で、パーツはシステムの10分の1くらいしか粗利が出ません。逆に、システムはその10倍儲かるわけです。

 日本がパーツ屋であることを誇りに感じ、それに甘んじているならば、将来は明るいとはいえないでしょう。開発したパーツで儲かるのは数年程度、その後は競合他社が現れ、価格はどんどん下がり、マージンは少なくなっていきます。

 その解決策が冒頭に述べた「システム開発」です。

 システム開発とは「ソフトウェア」をつくること。繰り返しになりますが、日本はすでにコンセプトの固まった完成品の小幅な改良ばかりに目が行ってしまい、儲けにつながるソフトウェアに価値を置かない傾向があります。

 ちょっと考えてみてください、iPhoneの付加価値は何でしょう。それはハードではなく、ソフトウェアにあります。面白く便利なアプリがたくさん開発されているから、人気があるわけですよね。

 これからの時代、「大ヒットを飛ばす」ためには“ソフトウェア”を中心に考えていかなければなりません。そのためには、「プログラミング能力」を子どものうちから養うなど、日本は一刻も早く世界標準に追いつく必要があるのです。

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齋藤ウィリアム浩幸
[内閣府本府参与]

さいとう・ウィリアム・ひろゆき
1971年ロサンゼルス生まれの日系二世。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)卒業。高校時代に起業し、指紋認証など生体認証暗号システムの開発で成功。2004年に会社をマイクロソフトに売却してからは日本に拠点を移し、ベンチャー支援のインテカーを設立。有望なスタートアップ企業を育成している。12年には、総理大臣直属の国家戦略会議で委員を拝命し、国会事故調査委員会では最高技術責任者を務めた。また13年12月より内閣府本府参与に任命されている。世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2011」選出。2015年6月より、パロアルトネットワークス合同会社副会長に就任。著書に『ザ・チーム』(日経BP社)、『その考え方は、「世界標準」ですか?』(大和書房)。


齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

歴史的に、世界に挑むチャレンジ精神は本来、日本人が持っていた気質。しかし今の時代、日本のお家芸“ものづくり”だけでは新興国に負けるのは火を見るよりも明らかだ。成長へと反転攻勢に転じるために必要なものは何か――。それは革新的なイノベーションを起こすための「世界標準の思考」に他ならない。気鋭の起業家であり、技術者である筆者が、日本が再び世界をリードしていく道はなにかを説く。

「齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機」

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