ドイツ・メルケル首相の来日が七年ぶりという報道があったが、遡れば七年前の二〇〇八年、我が日本国の総理大臣は麻生太郎氏(現財務・金融担当大臣)で、国会答弁で「ミゾユー」とか「フシュウ」という言葉を連発していた。自民党が民主党に政権を譲る一年前のことでもある。そして、それからの七年で日本の総理はめまぐるしく四人も替わり、また、その間に自民党は政権を奪取もした。

 アンゲラ・メルケル氏がドイツ首相に選出されたのは二〇〇五年(第一次メルケル内閣)、いまから十年前になるが、二〇〇五年当時の総理は小泉純一郎氏。同じ年に安倍晋三氏に総理の座が禅譲されると、さきの二〇〇八年、麻生総理(当時)に至るまで、日本では一年ごとに総理が交代していた。この十年間で総理の椅子に座ったのは実に八人である。これじゃダメだ。

 安倍ちゃん……、もとい、安倍総理は長期政権を担いそうだが、政治というのはそれが本来の姿だろうと思う。アベノミクスの可能性には内心で首を傾げているが、ひとつの政策をひとつの政党が腰を据えて取り組むことが肝要だ。政策を投げ出すかのように総理がころころと変わっているようでは、日本はナンパ……、もとい、難破してしまう。

 という話はさておき、ひとつ所に目標を置いてこつこつと事を進めるという意味においては、政治にも受験勉強にも同じことが言える――、という話を。

 日本を代表するコメディアン萩本欽一さんが駒澤大学仏教学部を受験し、見事に合格した。驚くべきは、七三歳という年齢だ。

 一月一一日朝、欽ちゃんは目の下まで隠れる大きなマスクと、帽子にメガネというスタイルで受験に臨んだとのことだ。かなり周囲を気にしていたらしい。

「自分としてはそんなに大げさにすることでもないので、なるべくソーッと、ドサクサに紛れて大学に行こうと思ってた。それでほかの受験生とも目をあわせないよう、なるべく下を向いて歩いてたんですよ。バレてなかった気がするから“内緒”にしてたんだけど――」

 欽ちゃんの受験は知られていた。合格発表は一月二二日だ。欽ちゃんは「社会人特別入試枠」で受験していた。

 『勉学意欲旺盛な社会人を対象に、生涯学習を資することを目的に実施』

 駒澤大学のHPにはこうある。募集人員は「若干人」だ。欽ちゃんは、二年かけて合格できればと思っていたらしい。今回の受験は「テストのテスト」のつもりだったそうだ。それが一発で合格してしまうのだけど。