不機嫌な職場で元気のないミドルマネジャーたち――。 連載第1回では、悩める中間管理職たちの“実態”を詳しく説明しました。

 では、こんな状況をどうやって打開すればいいのか? 第2回は、そのためにぜひやっていただきたい取り組みについて紹介します。

 「ここに来て心が軽くなりました。今、すごいプレッシャーの中で夜も眠れず薬をもらって飲んでるんですが、今日はなんだか眠れそうな気がします」

 「私は、ここに来るとホッとして心のバランスがとれるんです。厳しい施策を部下に伝えることが多くて、正直しんどいんです。『今、ここで頑張んなきゃ』と無理してるんですよね、知らず知らずのうちに」

 「ここで、僕は勇気をもらいました。マネジャーとしての自信がなくて1人で悩んでいたけど、『今の自分は結構頑張ってる』って思えるようになりました」

 これらは一見、カウンセリングの場で発せられた言葉のようですが、実は私たちが企業の依頼で行なっている“ワークショップ”(体験型の企業研修)を終えたときに、ミドルの口からぽろっと出た言葉です。決意表明の場で話してもらったことではなく、終わった後に自然に発せられた言葉なのです。

 彼らの表情はいずれも柔らかく、癒された面持ちでした。「今、ミドルが渇望しているのはこんな場なんだ」と、私自身、とても勇気づけられた瞬間でもあります。

 ミドルを元気にするには、まず心のバランスを保ち、前向きな感情を持てるようにすることが必要です。このような気持ちを呼び起すにはどうしたらいいか、このワークショップでの経験をもう少しお話ししましょう。

「同じ悩みを持つ仲間がいる!」
自分の話を聞いてもらう喜び

 このワークショップはたった75分ですが、毎週ミドル・マネジャーたちが集まって自分たちの経験を語り合う、貴重な場となっています。そこでは、ミドルが抱える様々な課題がわかります。