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ユーザーが皆で育てる日本語入力システム「Social IME」の使い勝手

【第42回】 2009年3月24日
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 日本語入力システムといえば、「MS-IME」や「ATOK」が一般的。しかし、固有名詞や専門用語などが一発で変換できずに不便を感じるときもある。頻繁に使用する語であれば、個別に辞書登録していくしかないわけだが、それもまた面倒だ。

 そこでお薦めしたいのが、慶應義塾大学の学生が開発した「Social IME」。その名の通り、ユーザーみんなで辞書を登録、共有していくという新しいスタイルの日本語入力システムだ。

 一番の特徴は、辞書データなど54万語がネット上に存在するという点。ローカルPCにデータをインストールする必要がなく、変換時ごとにサーバーにアクセスする仕組みとなっている。また、予測変換機能も実装しており、実験によれば「MS-IME 2007」と比べて入力時間が21%、キー操作が26%削減されたという。

Social IME
「Social IME」の言語バー(画面上)。「きた」と入力すると、ずらりと絵文字が並ぶ。

 気になる使い勝手だが、クライアントソフトをインストールしたのち、言語バーで「Social IME」を選択するだけでいい。使用感は、ほぼ「MS-IME」と変わらない。変換にかかる時間が若干遅く感じられるが、慣れてしまえばそれほど気になるものではない。

 そしてさすがに、ウリである固有名詞の変換には目を見張るものがある。小難しいアニメキャラや著名人の名前などは、ほぼ一発で変換可能だ。政治家であれば「麻生太郎」「与謝野馨」「小泉純一郎」「小沢一郎」などなど、じつに簡単に入力できる。

 ただし、変換候補にノイズや絵文字が多いのは気になるところではある。例えば「来た」と変換しようとすると「キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!」といった顔文字が上位に挙がってくる。とはいえ、流行語などへの即時性は高いと思われるため、ブログエントリの執筆や、コメントなどの作成には強みを発揮しそうだ。

 使用の際の注意点は、まず、個人情報の辞書登録は避けること。既存のIMEでメールアドレスや住所などを辞書登録しているユーザーは多いと思われるが、「Social IME」では他のユーザーと共有されることとなる。現時点では、通信自体は暗号化されていないので、セキュリティを不安視する声も挙がっている。その点は頭に留めておいたほうが良い。

 まだまだ課題の多いことは否めないものの、「オフラインでの変換」や「高速化のためのキャッシュ機構」なども今後、実装される見込みだという。「クラウド・コンピューティング」という言葉がもてはやされ、PC上のアプリケーションがどんどんネット上へと移行しつつある昨今、「みんなで育てる」をスローガンにした「Social IME」が、どう発展していくのか注目だ。

(中島 駆)

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