自分に合った
投資商品を見つける

 こうした状況を背景に、リスクを抑えて資産を安定的に殖やすには、一つに投資信託を使って世界の成長に乗るという方法が考えられる。運用商品としては世界の株式、債券、不動産(REIT)といった資産に分散投資するバランス型と呼ばれる投信である。一つの投資対象が値下がりしても他の投資対象が上昇することにより持続的に資産が殖えていくことが期待できる。この他にも先進国市場、新興国市場というように大きなくくりで投資するもの、米国や中国など特定市場に投資するもの、金のような商品に投資するものなどがある。どこの市場にベットするのかは、その人の投資判断による。

 投信の中でも、株式と同じように証券取引所に上場しているETF(上場投信)は、取引時間内であれば、リアルタイムの市場価格(投信は1日1回算出される基準価額)で売買ができて、しかも信託報酬と呼ばれる保有期間中に掛かるコストも投信よりも一般的に低い。投資対象も先進国市場、新興国市場、米国、欧州、中国、あるいは国内外のREIT指数、金や銀、原油先物のような商品や商品指数に投資するものなど多岐にわたる。証券会社に口座を開設するだけで取引ができるので、検討する価値は高い。同じ上場商品には国内の不動産を対象としたJ-REIT(不動産投信)もある。

 これらの商品を組み合わせて分散投資を図りつつ、自分のリスク許容度に合ったポートフォリオを組むとよい。定期的に見直して資産の偏りが出ていたらリバランスすることも忘れずに。

 そうした手間が大変と思うのならファンドラップという方法もある。これは証券会社と「投資一任契約」を結ぶことで、証券会社に資産の運用と管理を任せるというものだ。

 ぜひ自分に合った資産運用方法を見つけて、将来の生活を盤石なものにしていきたいものだ。

少額でハイリスク・ハイリターンを
狙う方法も

 個別企業の発掘に自信があれば日本株式や外国株式に投資するという方法もある。特定企業への集中投資はリスクが高くなるが、判断が正しければ分散投資よりも大きな成長成果を得ることができるだろう。日本株であれば長期保有することで配当や株主優待(銘柄による)を受け取ることもできる。
 株式で分散投資をしたいのであれば、インデックスファンドと呼ばれるETFや投信を通じてTOPIX(東証株価指数)や日経平均株価のような株価指数を買うことができる。外国株もダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価やロシア株式指数RTS、タイ株式SET50指数に連動するETFなどに投資することができる。
 債券はETFなどを通じて安全性が高い米国債や逆にリスクが高い分利回りが良いハイイールド債券、新興国債券に投資できる。また日本国債であれば個人向け国債や新窓販国債がいいだろう。長期的な金利上昇を予想するのであれば個人向け国債の「変動10年」を選べば実勢金利の動きに応じて半年ごとに適用利率が変わるので、金利の上昇に付いていくことができる。