武沢 末端の営業が変わっていくことで、どのような変化があらわれるのでしょうか。

青木お客様との触れ合いが変わります。「営業とは営業マンが売るのではなく、お客様に自ら買ってもらうこと」だと知る。そして、営業マンの営業に対する姿勢がどんどん前向きになってくることですね。それは営業マンが自分たちにやっていることに自信と誇りを持ち出すからなんですね。そして、それが会社のムードを変えていくのです。

武沢 入口のアプローチがますますシャットアウトされるから、難しい時代になりましたね。

「エレベータピッチ」という言葉を耳にする機会が増えました。「30秒で相手の足を止める」「気持ちをぐっと引き寄せる」――つまり、「面白そうだから、もっと詳しく話してよ」と言わせるテクニックですね。

人間みな営業マンです。赤ちゃんはおなかがすいていることを伝えるために泣く。人間、そのようにしている。そのコミュニケーション技術を磨くための、最強の仕事が「営業」です。「何でもいいから売ってくるのがお前の仕事だ」といわれると、ストレス以外のなにものでもありません。

青木 もっと時代は変わっているという認識をもたないと、ね。

武沢 コミュニケーションのプロフェッショナルであり、かっこいい大人になる。それが営業。お客様の声がモチベーションになり、やりがいはお客様の声しかない

青木 営業としての価値は、お客様がなぜ買ったのか、何が良かったのかを聞くと、理念につながってきます。そうすると、お客さまの電話が来たら、行かなくてはいけないという気持ちに変わりますからね。

武沢 そういえば、営業のお断りが書いてある貼り紙を企業でよく見かけます。それなのに、そういう会社には営業部があって、営業活動を実際やっていますよね(笑)。

青木 確かに! そういう考えも自社の営業をダメにしている一因かもしれません。会社が営業を拒んでいるわけですからね(笑)。