電子マネーギフトを
マーケティングに活用

 社会インフラと呼べるほど普及した電子マネーは、企業にとっても新しい機会を提供している。代表的な分野がマーケティングである。具体的には、NTTカードソリューションが提供している「EJOICA(イージョイカ)セレクトギフト」や「nanacoギフト」、または「Amazonギフト券」といった電子マネーギフト/デジタルギフトと呼ばれるサービスを、新規顧客獲得や顧客のロイヤル化といった目的で活用するケースが目立ち始めている。

 電子マネーギフトというと、聞き慣れない人もいるかもしれない。これは電子マネーや商品券をデータとして贈る商品のことだ。

 キャンペーンを実施する企業、あるいはポイントを電子マネーに交換できるサービスサイトなどからID(ここで言うIDとは、電子マネーに交換することができる「電子マネーギフトID」のこと)を受け取ったユーザーは、Webサイト上の簡単な手続きを経て、指定された金額の電子マネーを取得することができる。その金額は電子マネーカードなどにチャージできるほか、ECサイトにIDなどを登録してそのまま利用することもできる。

shikumi

 電子マネーギフトのメリットは様々だ。企業にとって最も便利なのは、物理的なモノではないということだろう。

 景品や紙の商品券などのモノをギフトに使う場合、顧客などに配送するには封入・発送作業など、相当のコストと時間がかかる。高額商品を少人数に贈る場合なら、そのコストは無視できる。しかし、500円、1000円程度の品物を贈るために、1個当たり数百円のコストをかけるのは避けたいはずだ。

 この点、電子マネーギフトならシステム上でデータをやり取りするだけ。モノに比べると、相手の手元に届けるためのコストと時間は圧倒的に小さくなる。