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持続的成長への挑戦:組織の自己変革力とは何か

サステナビリティの数値化に取り組む
三菱ケミカルHDの「KAITEKI経営」

三菱ケミカルホールディングス会長・小林喜光×松江英夫 対談(前編)

松江英夫 [デロイト トーマツ コンサルティング パートナー/中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科客員教授]
【第5回】 2015年4月10日
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構造改革を経て多くの日本企業が過去最高益を記録している。とはいえ、未来に目を向ければ「持続的成長の実現」は依然として大きな課題だ。そして、持続的成長を可能にする鍵は、時代を先取りして自らが変革し続けることができるかどうか、すなわち組織の「自己変革力」である。
連載第5回は、「KAITEKI経営」をコンセプトにサステナビリティ(持続可能性)を強く意識した経営に取り組む三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長にお話を伺った。

【KAITEKI経営】
企業と社会の持続可能性を意識した3つのコンセプト

松江 まずお伺いしたいのは、経営における「持続的成長とは何か」という話です。御社は「KAITEKI経営」というコンセプトを掲げて持続可能性(サステナビリティ)を強く意識して経営されておられますが、持続可能性を考えるに至った背景についてお聞かせいただけますか?

小林喜光(こばやし・よしみつ)
三菱ケミカルホールディングス会長 。1946年山梨県生まれ。71年東京大学相関理化学修士課程修了。ヘブライ大学(イスラエル)物理化学科、ピサ大学(イタリア)化学科留学を経て、74年三菱化成工業(当時)に入社、2005年三菱化学常務執行役員、07年三菱ケミカルホールディングスと三菱化学の社長に就任。15年4月より三菱ケミカルホールディングス会長。理学博士。

小林 第一には「予測不能な時代」がますます顕著になっている、ということですね。2008年9月15日にリーマンショックが起こって147ドルまで上がっていた原油が6ヵ月後には30ドル台まで下がって、それがまた100ドルあたりで安定するかと思ったら、2014年後半から40ドルぐらいまで急落した。誰もが予想し得なかったことです。実体経済よりも遥かにマネーが溢れる短期的なマネーゲームの時代です。

 われわれはそのゲームの中に否が応でも参画しなければいけない状況にあるわけで、予測不能な状況がますます顕著になっている。その最大の原因は、マーケット至上主義です。いいか悪いかは別としてもそういう時代の中でこそ、いわば対極的ともいえる「持続可能性(サステイナビリティ)」を真剣に考えなければと思ったわけです。

 実体経済よりも遥かにマネーが溢れている中で、そのゲームに参画しながらも、どうサステナブルであるかという議論をしないと意味がないと思います。

 もう一つは、21世紀の地球環境が圧倒的に危ない状況になっていることです。日本は人口減少していますが、世界では人口が爆発していて、食糧や水の危機があり、CO2の環境問題がある。地球は原発のような短期に大きな問題になるアクシデントと、CO2問題のように徐々に蝕んでいくような課題の両方の挟み撃ちにあっている。

 その中で、環境問題としてのサステナビリティをどう確保するか、健康、高齢化という人間が生きることに対するサステナビリティが何であるか、シックケアからヘルスケアの時代に、それらの前提をどう捉えるか、といったことを意識し始めました。

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松江英夫 [デロイト トーマツ コンサルティング パートナー/中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科客員教授]

デロイト トーマツ コンサルティング パートナー Strategy&Operationsリーダー。中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科客員教授(「実践・変革マネジメント論」)、事業構想大学院大学客員教授。「経営変革」に関わる戦略・組織領域のテーマ(成長戦略、M&A、イノベーション、グローバル組織再編)などを多数展開。主な著書に『自己変革の経営戦略 - 成長を持続させる3つの連鎖』『ポストM&A成功戦略』、共著に『クロスボーダーM&A成功戦略』(いずれもダイヤモンド社)など。

 


持続的成長への挑戦:組織の自己変革力とは何か

構造改革を経て多くの日本企業が過去最高益を記録するが、未来に目を向ければ、持続的成長を実現する取り組みはまだ始まったばかりだ。持続的成長を可能にする鍵は、時代を先取りして自らが変革し続けることができるかどうか、すなわち組織の「自己変革力」である。多数の企業変革に関わってきたデロイト トーマツ コンサルティング パートナーの松江英夫が、経営の最前線で果敢に挑み続ける経営トップとの対談を通じ、持続的成長に向けて日本企業に求められる経営アジェンダと変革の秘訣を解き明かす。

「持続的成長への挑戦:組織の自己変革力とは何か」

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