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アマデウスたち

井山裕太
“第一感”で攻めて勝ちたい

週刊ダイヤモンド編集部
【第84回】 2009年7月2日
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井山裕太
写真 加藤昌人

 2005年の全日本早碁オープン戦、16歳4ヵ月の若さで、張栩、王立誠、趙治勲、小林覚という一流棋士を破り優勝した。日本囲碁史上最年少の栄冠であり、四段から七段への飛び級昇段も史上初で史上最年少と、歴史を大きく塗り替えた。

 9月から2ヵ月間にわたった名人戦七番勝負では、初の十代名人誕生が期待されたが、その後史上4人目の四冠を達成した張栩名人に一歩及ばなかった。第三局から3連敗したものの、第六局で精神力の強さを見せつけ5分に持ち込み、張栩名人をして「日本を背負って立つ存在」と言わしめた。

 「一目千手」ともいわれる読みの応酬が繰り広げられる囲碁の世界で、「たとえ定石とは違っても、ここに打ちたいという“第一感”に任せて打つこともある。相手が誰であっても自分は変わらない。好きなように攻めて勝ちたい」。まさしく天才肌だ。

 碁を覚えたのは5歳。父と対戦したテレビゲームだった。半年もすれば父を負かすようになった。6歳のとき出場したテレビ番組の勝ち抜き戦でおとなたちを相手に五人抜きを果たし、解説者の石井邦夫九段の目にとまり弟子入り、プロとなった。

 「小さい頃から、負けると必ず泣いていた。その勝てるという自信はどこからくるのかわからぬほどの負けず嫌い。どんな試合に臨むときも、緊張よりワクワクが勝った。囲碁のおもしろさはどんどん増していく」

 中国や韓国の若手が活躍する世界大会で、王者となる日も遠くない。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 遠藤典子)


井山裕太(Yuta Iyama)●囲碁棋士(八段) 1989年生まれ。5歳で囲碁を覚える。97年、98年少年少女囲碁大会全国大会二連覇などホープとして期待を集め、2005年の全日本早碁オープン戦で優勝、頭角を現す。07年棋聖戦・名人戦リーグ入り、08年史上最年少で名人リーグを勝ち抜き挑戦権を獲得した。日本棋院関西総本部所属。

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