独立研修の時、野口さんは、「とても緊張してしまい、やるべきことをこなすのが精一杯でした。ところが、私が掃除をした後、そのお宅のお子さんがトイレに入り、中から『わー! すごいきれい!』という声が聞こえてきて。今まで専業主婦でしたし、自信もなかったので、『私でも喜んでもらえた』と嬉しかったですね」

顧客の笑顔につなげるブラッシュアップ研修

 最後の独立研修で、お客様から「料金に見合った仕事だった」と評価されれば卒業となります。本社では2、3日に一度、卒業式が行われているとのこと。ただ、顧客の家に入って仕事をするということで、研修期間中10 名近くの教官、社員が接触、ベアーズレディとしてふさわしいか、不審なところはないか、といった評価も同時に行っているそうです。

 卒業後、希望に沿った仕事が入れば、仕事開始となります。仕事は基本的に契約した家庭に定期的に訪問する形で行います。野口さんは、最初のうちは週に1~ 2件というペースでしたが、仕事の面白さを知り、少しずつ増やすうち、週に5 ~ 6 件を担当するまでになりました。「この仕事は、その場で喜んでいただいたり、感想をいただけたりと、反応がダイレクトにあるのが嬉しいです」

 定期的に仕事をするようになった後も、家事スキルを高められるよう、「アイロン研修」や「料理研修」など、さまざまなブラッシュアップ研修が用意されています。「家事をより短時間で効率良くできるようになれば、時間内にできる仕事が増え、お客様の笑顔も増える、するとベアーズレディも嬉しくなります。『もっとお客様に喜んでいただきたい』という気持ちに応え、スキルアップができるということは、ベアーズレディのモチベーションにもつながっているようです」(高橋専務)。


「もっともっと成長したい!」。ベアーズでは、主婦たちのモチベーションに火をつける独自の教育を実践していました。とはいえ、せっかく育った人材もすぐ離職してしまっては意味がありません。後編では、「この会社でずっと働きたい」を思ってもらえる、ユニークな取り組みをご紹介します!【後編】の「Reflection 中原淳の視点」もお楽しみに。