日経平均は大幅に反発。241.14円高の19275.98円(出来高概算11億1000万株)で前
場の取引を終えている。1日の米国市場では、3月ADP雇用統計やISM製造業景況指数が
市場予想を下回ったことから、終日軟調な展開だった。手掛けづらい環境ではあった
が、日経平均は前日までの調整で一時19000円を割り込んだこともあり、自律反発の
流れとなった。
19100円を回復して始まった日経平均は、その後もじりじりと上げ幅を広げる展開
となり、早い段階で25日線をクリア。抵抗線を無難にクリアしたこともあり、押し目
買いの動きが強まっている。東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1400を超えており、
全体の7割を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数ともに2ケタの上昇。
セクターでは、ゴム製品、陸運、その他金融、銀行が2%の上昇。一方で、空運、鉄
鋼、鉱業が小安い。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、KDD
I<9433>、電通<4324>、ダイキン<6367>、ファーストリテ<9983>などがけん引。マイ
ナス面ではオリンパス<7733>の下げが重石に。
日経平均は自律反発から25日線をクリアしてきている。25日線が心理的な抵抗にな
るかとみていたが、これをあっさりクリアしてきたため、押し目買い意欲の強さが窺
える格好。欧米市場では週末に聖金曜日の祝日を控えており、海外勢のフローは減少
するとみられているが、これが売り圧力の低下につながった格好か。
一方で、日本郵政は2015年度からの中期経営計画を発表。傘下のゆうちょ銀行は17
年度に外国債券や株式への投資を現状より3割多い60兆円とし運用収益を増やす計画
が伝えられている。新年度入りに伴う年金資金流入への期待なども再燃する状況のよ
うだ。やや先物主導によるインデックス買いが押し上げているようである。明日には
野村の投信設定も控えているため、下値の堅さは意識されそうだ。短期的なショート
カバーも意識されよう。
(村瀬智一)